けた理性
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「っひぁあア―――!!」

両膝を抱え一気に自身を挿入すると、白い喉をさらけだして兄さんが鳴いた。

熱い胎内と、ぎちぎちと締め付ける内壁と。

「あ…あ…」

ひくりと喉を震わせて、兄さんは目を見開いて繋がった部分を見た。

「ね、わかる?兄さんのナカに僕が入ってる。」

そう言ってゆっくりと自身を引き抜いていくと、「ぅ、あぁ、ァ」と震えた声が漏れた。

(あぁ、かわいい。)

「や、あぁぁア!」

カリ首まで引き抜いた自身を、グジュ、とさっきよりも奥へと埋め込む。

怯えた顔も、快感に歪む顔も、震える声も、戦慄く体も、きつく締め付ける後孔も、ぬめる胎内も、ぜんぶ、ぜんぶ。


「ずっと、こうしたかったんだ、兄さん。ずっと…。」

ようやく少し満たされた気がした。

兄さんのために過ごしてきた人生が、報われた気がした。


「ゆ、きおっ…ぬ、抜けっ…だめだ、だめだっ…こんなの、っ」

そんな感情をひゅ、と冷やすように、兄さんの声が僕の胸を貫いた。


(理性なんて、捨ててしまえばいいのに。善悪なんて分からなくなるくらい、溺れてしまえばいいのに。)


「は、女の子みたいに、突っ込まれて気持ちいいくせに。」

「っ違!!ぅア、あ、あ、っっあ、ひっ」

「気持ちいい、って認めなよ。ほら、ここ、好きでしょ?」

前立腺をずりずりと擦るようにして抜き差しすれば、背筋を反らせて、ビクビクと中が痙攣する。

「ひぁっ!あ、う、ア、」

せき止めていた兄さんの自身から手を離し、促すように裏筋を擦りながら、ピストンを早めると、内壁が痙攣し出した。

「あ、あ、あ、や、いやだ!っあ、ああぁア―――!!」

前立腺を潰すように擦りながら、くぷくぷと先走りを零す先端をぐり、とこすってやると、うねるように中が痙攣して、兄さんと僕は同時に白濁を吐きだした。







は、は、と二人の荒い呼吸だけが部屋に響く。

このまま兄さんと溶けてしまいたい。

繋がったところから、お互いの境目がわからなくなるくらいに。

僕たちは違いすぎて、

「…だから手に入れたくなるのかもね」

そう呟いたけれど、兄さんからは何の言葉も返ってこなかった。

視線を落とすと、ぐったりとして眠っている。もしかしたら意識を飛ばしてしまったのかもしれない。

ずるり、と熱い胎内から自身をゆっくり引き抜くと、「ぅ、」と小さく呻いただけで、目を覚ます様子はなかった。

ゆっくりと収縮していく兄さんの後孔から、自分の吐きだした精液がこぽ、と溢れてくるのが見えた。

体拭いてあげなくちゃ。そう思い、体を起こして静かに部屋から出た。

(男は中に出すとお腹下すってほんとかな、…兄さんの回復力って、腹痛にも効くんだろうか。)

タオルを取りに、階段を降りながら、そう思った。


掻き出してなんてあげないよ。

僕と繋がった証を。


口元には笑みが浮かんでいた。

明日は日曜日。任務にさえ呼ばれなければ、一日中兄さんと一緒に居られる。

(そう。一日中、ね。)



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雪男は絶倫の匂いがする。





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