◎ Innocence(5/5頁)
指を爪先まで引き抜くと、指先を引っ掛けて入り口を広げながら、アナルパールを押しあてる。
さほど大きくもないそれは、ほとんど抵抗もなくつぷつぷと燐くんの孔に飲み込まれていった。
ひ、ひ、と引き攣れた可愛らしい鳴き声が聞こえる。
バイブは紐で固定してしまったので動かせないから、細いアナルパールの取っ手を掴むと、ずるずると引き抜いてはまた奥まで突っ込んでやった。
「うあああ!っあ、あうっ」
「まだへばったらあかんで?」
もう1本用意していた、さっきよりも少し大きい粒のアナルパールとローターを手に取ると、ローターを入り口にくっつける。
「ひ、っ…な、なに…」
「さすがにキツそーやなぁ」
力を入れても入ってはくれないローターをそこから離し、バイブのスイッチも切ってやると、俺が諦めたと思ったのか燐くんが安堵の息をついた。
「なにホッとしてんのん?」
「ひゃっ!つ、つめたっ」
どぷどぷと入り口にローションをぶちまけて、ローターを押し込んでやった。
「うあああ!!」
暴れようとする体を、膝と腕で挟むようにして押さえ込む。
それでもばたばたと唯一自由な足を暴れさせ、不自由な上半身を捩って逃げようともがく。
馬鹿力とは聞いていたが、拘束していながら全力で押さえつけても抑えきれない。
ち、と舌打ちすると、燐くんから手を離し、スタンガンを太股に押しあてた。
「ぎゃんっ!!」
バチッという音と共に、踏まれた犬みたいな声が上がる。
「安心しぃ。電力半分まで落としたぁるから。ちょーっと痺れるだけや。」
「うあ…あ…っ」
ひくんひくんと痙攣する体を撫で、もう1本のアナルパールを手にすると、ローターを奥まで押し込むように、ゆっくりと挿れていった。
「ぃあぁああ…っ、あ、あぁぁっ」
全部のみこんだ後孔からは、ピンク色の太いバイブと、アナルパールが2本覗いている。
「ふふ、かぁわい。」
「うあ、あぁ…ぁ、」
まだ痺れているのだろう、喋れない赤子のように呻くだけの燐くんを、どさりとベッドの上に仰向けに転がした。
「…ははっ、燐くんてドM?何回イったん。」
燐くん自身の体で気付かなかったが、俺の両足の間、燐くんの性器があった部分には、1回の吐精ではない量の精液が水たまりを作っていた。
「う…あ…」
知らないと言わんばかりに首を左右に振る燐くんに、変態、と罵ってやれば、ぼろぼろと大粒の涙がこぼれた。
「ほな、足も縛ったるわ。縛られるん好きなんやろ?」
そう言いながら、バイブのスイッチを入れれば確実に蹴られるだろうと思って、先に暴れられないように足を折り曲げさせて太股と足首を固定するように縛る。
「ぅうー!!あ、あっ」
言葉を紡げないまま涙を流す燐くんに笑みを送ると、バイブのスイッチを入れた。
「うぁあ゛―――ッ!!」
入り口から伸びているコードの先、ローターのスイッチも入れてやれば、狂ったように燐くんが髪を振り乱してもがいた。
「ふふ、何分もつやろか。」
腰を浮かせびくびくと痙攣する燐くんから少し離れて、携帯を取り出した。
玩具を頬張る入り口と、顔がちゃんと写るように、何度も写メを撮る。
「うあ゛あ――!!あっ、あ!!」
必死で苦痛に近い快楽から逃れようと身を捩っている。
悪魔は回復が早いとはいえ、両手両足を拘束され、媚薬を含まされて電気を流された体は、ぼろぼろだった。
そんな姿に、俺はいっそう欲情するのだ。
「廉造に送ったろー。ふふ、どんな顔するやろか。」
見開かれた眼が信じられないものを見るように俺を見、そしてふっと意識が途切れるように燐くんは気絶した。
「5分持たんかったかぁ。」
カチ、とバイブのスイッチを切ってやると、叫び過ぎて渇ききった唇を、潤すように舐めてやった。
鳴りだした携帯を見やると、ディスプレイには『廉造』の2文字。
「もしもーし。」
「…なに、やってんの金兄。」
「あれ?電車?」
弟の声の向こうから聞こえてくるのは、ガタンゴトン、という電車特有の音。
「なんで金兄が奥村くんとこ居るん。」
「無視かいな。…お前がオンナと旅行してる間、燐くん寂しいかなーて思て。別に押し入ったわけちゃうで。燐くんが俺を招き入れたんや。」
「…あ、そ。」
何かを秘めた、けれど無関心を装う幼い弟に、こっそり口端を上げた。
「はよ来やな燐くん壊れてまうで。」
ぶちりと切れた通話に、俺は機嫌を損なうわけでもなく携帯を閉じた。
「子供ておもろいなァ…」
眠っているような表情で気を失っている燐くんを暫く眺めていたけれど、やっぱり面白くない。
頬を抓ってみても起きてくれなくて、小さくため息をつくと、右手を振りあげた。
パシンッと乾いた音が辺りに響く。
ゆっくりと開いた燐くんの眼が虚ろに俺を捕える。
夢うつつのような、呆けたような眼。
「…う、」
赤くなった頬が可愛らしい。
「き、んぞ、さ…、っんぐ、う!」
まだ覚醒しきっていない燐くんの口の中に自身を突っ込めば、苦しそうなうめき声が上がった。
「う!うう…!」
無理やり前後させて喉の奥を突くと、びくびくとえずくように肩が震える。
「ほら、ちゃんと吸えや。」
「ん゛う、う゛!!」
ごぷりと吐き出したものを飲み込むまで、髪を掴んで顎を反らせた。
「えう、…っ」
目をぎゅうっと瞑って嚥下してはむせる燐くんの頭を撫でてやる。
(廉造、はよ戻ってこーへんかなぁ…)
「んっ!!…あ、っ」
後孔の入り口をそっと撫でると、ぴくりと体が跳ねた。
「もうちょい遊ぼか。」
Innocence
(無邪気な)
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