けた理性
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何が起こっているのか理解できないまま、反応し続ける自分の体が信じられなくて。

信じられないところに雪男のゆびが入っていて、信じられない声が勝手に喉から漏れる。

痛さと不快感は、甘い痺れに変わり、ますますどうしていいのかわからない。

俺の両腕は突っぱねているのか、しがみ付いているのか分からないくらいの力で、ただ雪男のシャツを掴んでいる。俺が悪魔になったから、こんな体になったのか?雪男はなんでこんなことするんだ?

ぐるぐると疑問が頭の中で回り、考える前に強烈な快感が脳みそをバラバラにする。

雪男の2本の指は、相変わらず俺の内臓をかき混ぜて、信じられない快感を生み出している。

「兄さん、僕の指、きもちいい?」

雪男のいつもより低い声が鼓膜を揺らす。

自分の知ってる「きもちいい」と違いすぎて、力いっぱい頭を横に振ると、ぎゅう、と強く根元を締められた。

「痛っう、ゆきお、離しっ…ぅ」

「うそつき。…あーあ、おしおきだね。」

ずるっと勢いよく指を引き抜かれ、すぐに3本目の指を添えた、倍増した圧迫感が俺を襲った。

「ひっあああっ!!」

引き攣れるような痛みに、体中が震える。

どうして、どうして、どうして、

何がどうしてなのか、何が疑問かすら分からなくなってくる。

「は、っ…ゆき、ゆきおっ…」

「うん?どうしたの、兄さん。」

その声も、その表情も、優しすぎて意味がわからない。

じわりと視界が涙で滲むのが分かった。

ぐちゅ、ぬちゅ、と雪男が動かすたびに、ひどい音が聞こえる。

ふと、昔ジジイが隠し持ってたアダルトビデオの1シーンが、頭をよぎった。

女の悲鳴みたいな鳴き声と、こんな、こんなひどいおと、が―――

揺れる脳で必死に記憶をたぐっていると、また雪男はずるりと指を引き抜いた。

「は、う…っ」

背筋が痺れるような喪失感に、また脳が揺れる。

微かな金属音に、記憶がスッと繋がった。


まさか、まさか―――


男と女がするような、それ、を…

「っひぁあア―――!!」

まさか、と、導き出した答えが正解だったことを理解するより早く、脳みその神経という神経が焼き切れた。


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