07 Etude-ラスト | ナノ


Etude(5/5頁)

まだ俺の足の間で床に座り込んでいる、燐くんの顎に指をかけて上を向かせると、屈んでキスをした。

「っ、ふぅ、ぁ…っン、」

脱いだジーンズのポケットから手さぐりで小さなピルケースを取り出すと、中身を掌に移す。

ちゅぷ、と唇を離すと、代わりに2本の指を含ませた。舌の裏側に薬を押しつけ、唾液で溶かすようにぐちゃぐちゃと掻き混ぜた。

「ふぅう!?う、う…!」

舌の裏側は成分を吸収しやすく、効き目が早い。
ごくり、と薬が溶けた唾液を飲み込んだのを見届け、指を引き抜いた。

「な…に、?」

涙目で不安そうに見上げてきた燐くんに、ふわりと笑いかけると、耳元で囁く。

「気持ちようなるだけや。」

そう言ってから思い出す。そういえば、この薬はアルコールと同時に服用すれば、必要以上に効き目が強くなるんだった。

(まぁ…えっか。)

「おいで。」

手を差し伸べると、燐くんは目を泳がせて、それから俺の手を取った。


――覚悟しぃや。自分で取ったんやで、俺の手。





燐くんはキスが好きだ。
ベッドに押し倒して、触れるだけのキスを何度も繰り返していると、蕩けたような顔で見上げてくる。


Tシャツの裾から手を差し入れれば、ひくりと腹筋が戦慄いた。

「はふ、っだめ…だめ…ぁ、」

乳首を親指で潰しただけで甘い声が上がる。上気した頬は朱く、まるで誘うように涙で潤んだ瞳が俺を射抜く。

「そんな物欲しそうな眼ぇして?」

膝で燐くんの自身を探れば、そこは固さを持ち、服を押し上げるように勃ちあがっていた。

「あ、あっ…やあ…っ」

「ほら、もう勃っとるやんか」

「ひ、んぅ―――!!!」

ぐいぐいと膝で擦ってやると、燐くんはぎゅうっと眼を瞑って、びくびくと体を跳ねさせた。

「は、…もしかして、今のでイったん?」

「っあ…ぅ…」

羞恥で真っ赤になった顔を、両手で覆うように隠している。

「ええやんか。エロい体、好きやで?俺は。」

そう言いながら、部屋着を下着ごと引きずり下ろす。

煌々と明るい部屋の中でどろどろの下肢を晒されて、燐くんは泣きそうに顔を歪めた。

その顔が俺を一層煽ることも知らずに。

「あうぅ、ぁっ…あっ」

燐くんが出したものを指に絡めると、いきなり2本を後孔に突っ込んでみる。

ぎゅうぎゅうに締めつけるソコは、びっくりするほど熱い。

「あうぁああ!!ひああっ!あ、あぅぅ…!!」

ぐりゅぐりゅと2本の指を付け根まで差し込んだまま、手首を捻るように掻き回してやれば、あられもない声が上がった。

「ははっ、えっらい声やな。指でこんなけやったら、俺のちんこ突っ込んだらどーなるん?」

「っぅあ…!」

ぶるりと燐くんが体を震わせる。

「あは。想像したん?俺に突っ込まれるとこ。」

「ぅ、う…あ…だめ…きんぞ、さんっ」

指を引き抜いて横を向かせると、燐くんの左足を跨ぎ、右足は肩に担ぎあげる。

「だめ…だめ…!!」

先端を入り口に咥えさせれば、ぴくぴくとそこは唇が食むように蠢く。

だめ、なんて言うくせに、一向に逃げる様子もない。

「ほら…逃げやな入ってまうで、」

ゆっくりと腰を進めていくと、燐くんはくしゃりとシーツを握りしめた。

「あ…あ…あ…っ」

手は白くなるほどにキツく力が込められていて、ぷるぷると震えている。

熱くて、溶けてしまいそうだった。

(アイス入れたら一瞬で溶けるんちゃうん。)

そう思いだしたら、やりたくてしょうがない。

(あとでアイス…買いに行かせよ。)

今はとりあえず1回発散したい。
そう思って半分ほどまで入れた自身を、一番奥まで一気に入れた。

「ひああっ!!あ、う、」

「――っ、…ん?」

ぎゅうぎゅうと引き込むような締めつけに、もしやと思って下肢を見降ろす。

「また勝手にイってもぉたん?」

「ご…ごめんな、さ…い」

だらだらと漏れるように精液を零す自身を見降ろす。

縛ってやろうかとも考えたが、あまりに中の締めつけが気持ち良すぎて、動きたくてたまらなくなる。

引きずり込もうと収縮する体内からずるりと先端まで引き抜いて、また奥まで突き刺して。
イったばかりの体はびくびくと痙攣し、さらに気持ちがいい。

「やっ、や、あ、っまた、あっ…ああんンぅ!!」

「っ、やば、――っ」

腰がぶるりと震え、最後の1滴まで全て、燐くんの胎内に注ぎ込んだ。

「あぁ…ぁ…っ」


連続で絶頂を迎えた衝撃で、ひくひくと体を震わせる燐くんはとても綺麗だ。

健気で可愛らしくて、――苛めたくなる。


――あぁ、今日は優しくしたるて思っとったんに。



僅かばかり息を整えた燐くんの体から自身を引き抜き、近くにあったタオルで適当に拭う。
自分のどろどろになった下肢も。
どうせ、1時間後にはまた裸になってるんだから適当でいい。


「燐くーん、アイス買いにいこ?」

「…ぇ、?」

薬が効いているのか、また半勃ちになった下肢に気付いていないフリをしながら、下着を履かせ、服を着せる。

「俺のん、零したあかんで、」

ようやく意味が分かったのだろう。たっぷりと精液を注ぎ込んだまま、外を歩けと言っていることに。

「やだ…むり…っむりです!金造さんっ」

「俺が行くゆうたら行くねん。ほら、」

俺も着替えを済ませると、未だベッドに転がっている燐くんの手を引いて立ち上がらせた。

「っぁく…!!ぅぁ……ひっ、」

後孔を必死に締めているんだろう。
背筋をぴんと反らせて、ぶるぶると震える燐くんに、俺はとても機嫌が良くなる。

「ほな、いこか。」


絶望みたいな顔をした燐くんの、白い頬にキスをして。



Etude

(練習曲)





続きます…!次話、金兄絶好調。




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