けた理性
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Tシャツの裾から忍ばせた掌から、兄さんの体がビクリと震えるのが伝わる。

固く閉じたままの唇を舌で何度もなぞると、一層強く唇を結んでしまった。

残念に思いながらも口を離して、Tシャツを首元まで捲りあげると、腹部から胸まで、つぅ、と舐めあげた。

「っっぅ、」

兄さんが小さく声を上げる。
それだけでドクリと自分の心臓が鳴るのを感じた。ぎゅ、と髪が引っ張られるのを感じて、「痛いよ兄さん、」と小さく非難すると、ビクリと震えて手が離れた。

こんな時でも、僕を傷つけるのを躊躇うの?
ばかだね、兄さん。

そのまま小さな胸の飾りを口に含む。
唾液でたっぷりと濡らして、噛んではねっとりと舐め、強く吸っては舌先で先端だけを刺激する。

「っン、ゆき、やめ…っ」

微かな力で肩を押し返すような抵抗に、皮膚の薄い脇腹の上の方を噛んでやる。

「いっ、あ」

一瞬で消えた、自分の歯型がついていた場所をまたゆくっりと舐めながら、ハーフパンツの中に手を伸ばした。

「い、やだ、雪男!」

兄さんからは可愛くない言葉ばかりが紡がれる。

「じゃあ何で固くしてるの?これ。」

僅かに主張し始めた兄さんのそれを きゅ、と握ってやると、引き攣れたような小さな声がした。

「胸、舐められるの気持ちよかった?それとも噛まれるのが好きなの?」

「違…」

また否定の言葉を紡ごうとした口を塞いで、ぬるりと舌を差し込む。一瞬噛まれるかと思ったが、舌を奥に引っ込めただけの抵抗だった。


僕の舌を噛んで、突き飛ばして逃げる権利が兄さんにはあるのに。


歯列をなぞり、上顎を舐めると、兄さんのものがまた少し固くなった。

(かわいいね、兄さん)

先端を親指でぐり、と強めになぞると、兄さんのくぐもった声が口づけたままの僕の中に響いた。

そのまま先走りを指に絡め、裏筋をなぞると、「ん、ん」と鼻にかかった鳴き声が聞こえたので、気を良くした僕は口を離した。

「っは、ふ」

短く息を吐く兄さんを後目に、体を屈めて兄さんの自身に舌を伸ばす。

「ッあ!!や、雪男、何やって…っっあぅ!」

つう、と裏筋を舐め、ジュと先端を吸うと、兄さんは掠れた声で悲鳴を漏らした。

「ぁ、っう、、んん!!」

左手で根元を扱きながらカリ首を舐めると、ビクビクと内股が痙攣する。

表情が見たくなって咥えたまま見上げると、先ほどとは比べ物にならないくらい真っ赤になって、きつく目を瞑っていた。
目尻にはうっすら涙が滲んでいて、たまらなく愛おしくなる。

「ぁ、あ、…や、いやだ、ゆき、放しッ…」

シーツに皺が寄るくらいにきつく握りしめて、兄さんが限界を訴える。

「あ、あ…ゆき、ゆき、ゆきおっ、っっっぁア!!」

最後にジュ、と先端をきつく吸うと、全身を震わせて白濁を吐きだした。

兄さんの、精液。

味わうように舌の上をゆっくり通して、飲み込んだ。

抵抗なんて1ミリも無かった。



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