崩壊の音(4/5頁)
ぐちゅぐちゅと卑猥な音がする。
2本目の指が難なく動かせるようになった頃には、兄さんは何度も訪れるドライオーガズムによって意識が朦朧としているみたいだった。
だらだらと赤子のように涎が零れ落ちているのも気にならないのか、気付いてもいないのか。
「ふふ、兄さんってばだらしないんだから。」
舌で拭ってやり、そのまま口づけると、熱い舌が絡まる。
どうやら薬は治癒されずに兄さんの体に受け入れられたらしい。
これで、僕の体液を体内に入るたび、兄さんの体は麻薬に近い恍惚を生む。
口づけたまま唾液を流し込んでいけば、兄さんは小さく喉を鳴らして飲み込んだ。
唇を離すと、はふ、と熱い息が漏れる。
3本目が入り口を傷付けずに挿入できることを確認して、すぐに引き抜いた。
ひくひくと戦慄く入り口に怒張を押しあて、ぬるぬると先端を擦りつければ、ソコはまるで誘うように収斂する。
「ぅあ、ああ、あぁぁ、っあ――」
じわりじわりと胎内に押し入っていく。
狭い内壁を掻き分け、内臓を押し上げるように。
本来受け入れるべき器官でないそこは、戸惑うように痙攣を繰り返す。
「ほら、見て。ココで繋がってるんだよ。兄さんと。」
ぐるりと、僕のモノを咥えこんでいる入り口をなぞる。
その微かな感覚にもぴくぴくと足を跳ねさせ、兄さんは喘いだ。
「っはぅ、ぁ…あ」
ぴっちりと根元まで埋め込んで、内壁の感触を堪能していると、恍惚の表情で兄さんが甘い吐息を漏らした。
酔いしれたような表情に、どくりと脈打つ自身が質量を増す。
それを内壁で感じ取った兄さんが、また小さく声を漏らした。
「あっ、あぁうっ…そ、それ…やだ、ぁ…っ」
ずるずると先端まで引き抜くと、その排泄にも似た感覚に非難の声が上がる。
「兄さんの欲張り。」
「ひぐぅっ!!あ、あっ…!」
ふふ、と哂って最奥までずんっと突き刺すように穿つ。
「あ、っあ――!ぁあ――!」
奥を突くたびに言葉を知らない子供のように鳴いては、正気を保とうとぶんぶんと首を左右に振る。
堕ちて。
堕ちてきて。
僕のところまで。
ぐじゅぐじゅと空気を含んだ液体が混ぜられる卑猥な水音。
兄さんの高くて掠れた喘ぎ声。
僕の耳に届くのはそれだけでいい。
僕が揺さぶる動きに合わせて、感覚が無くなったであろう両足が無防備にただ揺れていた。
「っは、にいさ、…っ」
限界を感じて、兄さんの自身に巻き付けた縄に手をかける。
縄が擦れる感覚に苦しそうな声を上げるけれど、解放される喜びの方が大きいようで、期待に濡れた目が見上げてきた。
「あうぅ…っあ゛――!!」
そして戒めを解いた瞬間、ずっとせき止められていた精液が大量に溢れ出す。
がくがくと体を痙攣させたと同時、ぎゅうぎゅうに締め上げられて、僕も迸りを奥の奥へと吐き出した。
「あぁ…あ…あ、」
緩く腰を前後させ、最後の1滴までナカに吐き出す。
その動きにすらぴくぴくと反応を返す愛おしい体。
「全部ナカで出しちゃった。ごめんね?今、掻き出すから…」
ゆっくりと引き抜きながら、そんな気など毛頭ないことを口にする。
だってもう、兄さんの体は僕の体液を受け止めることに必死だから。
「ぁや…だ…っ、だめ…だめ…ゆき、っ」
思わず口角が上がるのを止められなかった。
「…じゃあ、もっと注いであげる。」
「っあぁア―――!!」
半分ほど引き抜いた自身を、また根元まで一気に打ちつけると、ぷちゅっと吐き出した精液が入り口から溢れた。
「零しちゃだめだよ。ちゃんと飲み込んで。」
「ひぁ゛―っ!!あ゛ぁあああ!!」
漏れた僕の精液を指で掬って、その指ごときちきちの入り口に詰め込んで押し戻した。
前立腺を突くたびに、勢いのない射精をぼたぼたと繰り返す自身を擦ってやりながら、僕は何度も何度も兄さんの胎内に精子を送り込む。
「あぅ、ぁ、う、あ!」
「これからは毎日あげるから。嬉しい?」
視点の定まらない眼で僕を曖昧に捉えながら、兄さんは必死に頷いた。
ぽろぽろと零れた涙は、嬉しいからなんだよね。
「うん、僕もあいしてるよ、兄さん。」