05 Dice-5 | ナノ


Dice(5/6頁)

意味が理解できなかった。

志摩はもうええよ、と口の中から自身を引き抜き、腕を縛っていたシャツを解いてくれた。

結構長い時間、後手に縛られていた腕はじんじんと麻痺したように痺れているし、肩も軋む。足はまだベルトで縛られたままだ。

「ほら、手外したったから、自分でできるやろ?」

「し、ま…?」

やっぱり意味がわからなくて、それでも、志摩と金造さんの楽しそうな顔を交互に見れば、きっとまた恥ずかしいことなんだと悟る。

恥ずかしい、こと。


――かきだして、じぶんで。

志摩の言葉を3回頭の中で巡らせたところで、一つの可能性に結びつく。

そしてその瞬間、自分の顔が沸騰するのが分かった。

「あ、やっと解ってくれた?」

「な、っ、そん、なっ…できないっ、できない、ほんとに…頼むから、志摩っ」

必死に首を振ったって、志摩は楽しそうに笑うだけで。

体を起こされると、痺れが残る手を掴んで背中に回された。


そんなの、できない。


躊躇っていると、金造さんに手首を掴まれて、ぐっと引かれる。

「ほら。手伝うたろかー?」

「あかんよ金兄。…奥村くん。出来るやんな?」

にこにこと一番すきな柔らかい笑顔でそう言われて、思わず唇を噛みしめた。

「…出来たら、ごほうび。…な?」

柔らかい声が、俺を狂わせる。

きゅ、と優しく抱きしめられて、できないと拒んでいた意思がぶれる。

そして、ぽろりと一粒落ちた涙を合図のように、俺はそっと自分の中に指を差し込んだ。

「っふ、…う、」

志摩のシャツにしがみ付いて、肩口に顔を埋めて、じりじりと指を進めていく。

指の感覚と中の感覚が同時に来て、ぞわぞわと鳥肌が立つ。

「もう1本、指入れて?」

優しい志摩の声に従うように、震える指をもう1本、中に押しいれた。

「うん、えぇ子や。…ほんなら、広げてみて。」

「――っ、」

志摩の肩口に顔をうずめたまま、いやいやをするように首を振ると、今度は優しく頭を撫でられる。

「できるやんな…?」

ずるい、ずるい。
そんな優しい声で、そんな優しい手で。

「っう――…、ぁ…」

指先に力を入れて、孔を広げるように左右に開けば、入り口まで降りてきていた金造さんの吐き出したものが、どろりと出ていく感触がした。












羞恥をかなぐり捨てることもできず、震えながら従順に言うことを聞く奥村くんは、素直でエロくて、アホすぎて可愛らしい。

抱きしめたことすら、「前からやと見にくいしなぁ」と思った自分のため。

奥村くんの頭を撫でてやりながら、滑らかな背中を見降ろす。

抱きしめたままのこの態勢ではさすがに入り口までは見えなかったが、ぼたぼたと白濁がシーツに落ちるのは見える。

横目でちらりと奥村くんの方を見やれば、真っ赤な耳と頬が見えた。


目の前では、満足げに笑う実の兄。

ほんま、自分の兄貴ながら、変態やな。

「し、しまっ…」

「んー?どしたん?」

「も、もう、いい?」

吐き出す感覚が無くなったのか、指の力を抜いて小さく聞いてくる。

それでも指は入れたままで、健気にも指を抜く許可さえ求めてくる奥村くんに、そろそろ飴でもあげようかと思った。


「うん、抜いてええよ。」


俺の意図が分かったのか、金兄はつまらなさそうに、それでも邪魔する様子もなく立上がる。


「燐くん、ごちそーさん。風呂入ってくるから終わったら帰れよ、廉造。」



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