◎ Dice(4/6頁)
切なく自分を呼ぶ声が、ひどく俺の心を落ち着かせた。
だってまるで、親鳥に縋るしかない、雛鳥の啼き声みたいだ。
「見とったるさかい、入れてもらい。」
「…っひ、ゃ、あ゛ぁぁぁああア!!」
シーツに吸い込まれていく悲鳴と内壁の感触に、金兄が息を漏らした。
「…は、…っヤバいなァ、こいつ。」
ぐちゅりと卑猥な音が聞こえる。ずぶずぶと金兄のモノを飲み込んでいくのが見えて、思わず喉を鳴らす。
「あ、あぅ、う、しま…、し、ま…!」
悲痛な声で名前を必死に呼ばれて、頬を撫でてやると、ぽろぽろと俺の手に綺麗な涙が移る。
「綺麗やなぁ…ほんま、」
恐怖と快感でぐちゃぐちゃになって、ぼろぼろになっても、その涙は綺麗なままで。
(せやから汚したなるんや。)
「…ほら、俺ンことも気持ちようして?」
「ふぐ…!ん!っンぅぅ…!」
「っ、なんやコイツ、尻尾触ったらナカとろとろなるやん、」
ぎゅうぎゅうに締めつけられて、すぐに持っていかれそうになって。
ぐにぐにと柔らかい力で尻尾の付け根を揉んでやれば、高い声を上げてぶるりと一度体を震わせ、内壁がうねって締めつけが甘くなる。
子供みたいな…いや、子供か。
そのまだ未完成の体に捩じ込むという行為自体が快感を呼び、女とは違う掠れた声は腰を一層重くさせる。
「燐くんも気持ちよぉしたるさかい、」
「…ンん、っぅ――…!」
レイプまがいの行為は好きだが、本気で一方的な行為は好まない。
なんて、説得力ゼロの状況なわけだが。
それでも、せめてもの償いだといわんばかりに前に手を回すと、こんなに好き勝手されているにも関わらず、ソレは蜜を零し芯を硬くしていた。
「そんなにケツ突っ込まれるん、ええ?」
「…っ、げほっ、ゃ、だ…っあ、」
うん。いつまでたっても堕ちへんのも、俺好み。
そんなことを思いながら、今日のところは勘弁してやろうと思う俺はとっても優しい。
咥えていた弟のモノを咳き込みながら口から離すと、必死に否定する燐くんに、なかなかのSっ気の持ち主なうちの弟は、また小さな唇を割って挿入した。
前にも後ろにも突っ込まれて、これだけ喘げるなら相当素質あると思うんやけど。
「ほら、派手に飛ばしてイきぃや。」
「んンぅ…!!!っン、んぁ――ー!!」
爪先を立てて鈴口を抉ってやれば、あっけなくびゅる、と白濁を吐き出す。
「――ッ、」
腰を掴んでぎゅうぎゅうと締めつけるキツい胎内を2、3度往復させれば射精感がこみ上げて来て、そのまま内壁へ叩きつけるように精を吐き出した。
「…っあ゛ー、やっぱえぇなぁ、中出し。」
最後の1滴まで奥底に吐き出した後、ひくひくと未だ痙攣する胎内からずるりと引き抜く。
そして入り口に両手の親指をかけて左右に割り開き、とろとろと自分の精液が零れ落ちるのを眺めた。
「んぅ、っは、や…見な、で、」
「奥村くん、俺まだイってへんねんけどー」
羞恥に震えながらこちらを振り返る燐くんを、廉造が少しイラついたように顎を掴んで引きもどして咥えさせる。
「つか廉造、こっち入れたらえぇやん。」
「えー…金兄、中出ししたやんか。なんか嫌。」
心底嫌そうに眉間に皺を寄せた弟に、珍しくむかつきもしなかったのは、それ以上に楽しそうなことを思いついたから。
「…ほんなら、燐くん、出したって。」
必死に口淫を頑張っていた燐くんが、ソレから口を離して、きょとんとした顔で振り返る。
そして同じように怪訝な顔をしていた弟が、理解したようににまりと哂った。
「あぁ…せやな。…奥村くん、自分で掻き出して。」
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