◎ Dice(3/6頁)
後孔に指2本目を突っ込んでぐちぐちと慣らしていれば、金兄が早々に奥村くんのフェラにイライラし出した。
けれどきゅうに、にたりと笑った金兄は、怯える奥村くんの顔を優しく撫でまわす。
――あかん、あれ、いらんこと思いついた時の顔や。
条件反射でこっちまで冷や汗が出る。
俺の何倍も鬼畜な金兄が楽しそうに笑ってる。
奥村くんの体をひっくり返して仰向けにさせると、金兄のベルトが投げてよこされた。
「おい、廉造ォ、両足縛れ。」
金兄の指示のもと、正座をさせるような格好で足を折り曲げさせ、太腿の付け根と足首をキツくベルトで締める。
「しま…っや、だ…っ」
両手両足が動かせない状態で、奥村くんが心底怯えた表情になる。
「大丈夫や、力抜いときぃ。」
「ふあっ…ぁう、う、んンっ」
前立腺を集中的に擦って、意識をそっちに持っていかせれば、金兄がベッドから降りて奥村くんの体をベッドの端まで引きずりだした。
「ふあ…!?き、きんぞう さ、っ」
ベッドから奥村くんの頭が半分以上はみ出ていて、重力に沿って落ちている。
まるで、喉を反らすような態勢。
――あれは、ヤバい。
そう思った瞬間にはもう、金兄は奥村くんの頭をガシリと掴んでいて、両手の親指を口を開かせるように突っ込むと、半勃ちになった自身の先端を埋めていた。
「燐くーん、噛んだら廉造ドツくから、気ぃつけやー」
「ンぐっ――!!う゛――!!うぐっ!かは、っう゛」
早くも奥村くんが俺を盾に取られたら従順になることを悟ったらしい金兄が、エグい態勢でガツガツとイラマチオを始める。
金兄が抜き差しをするたび、外からでも喉の奥まで抉られているのが分かるくらいで、相当苦しいのか体中を痙攣させる。足を縛ってなかったらきっと蹴りまくられていただろうほどに、ベルトはぎしぎしと悲鳴を上げていた。
「ぇう゛!!え゛ぁ!ふぐっ――!!」
こちらから顔は見えないが、えずくような悲鳴が聞こえる。
(あーあ。息出来てんのかなー奥村くん。)
また指を2本突っ込んでみたけど、喉の苦しさでぎゅうぎゅうに締まっているソコは、あまり指には反応してくれなかった。
とりあえずほぐしておこう、とぐちぐちと入り口を広げるように3本目も入れる。
「あー気持ちいー。うん、出そう。燐くん、気管入らんよう気ぃつけやー」
思いっきり萎えている奥村くんの自身を見ながら孔を弄っていれば、一人だけ気持ちよさげな金兄が呑気な声音でそう言った。
「ぅぐ…!!んむぅ!!う゛!!!」
「はは、何ゆーてるかわからへんで。」
へらへら笑う金兄の声は、余計ぞっとさせる。
そして奥村くんがまた苦しそうに呻いた瞬間、金兄が息を詰めた。
「かはっ、えほっ、え゛、う゛あ、」
「――っ、ふは。…燐くん、全部飲んだ?あ、廉造、引っ張って。」
金兄の言葉に奥村くんの腰を掴んで、ベッドの中央まで引き上げると、奥村くんの顔は涙と鼻水と精液でどろどろになっていた。
顔を真っ赤にして、目も充血して、ぶるぶると震えて金兄から目を反らす。
そして奥村くんは、助けを求めるように俺の方を見た。
「ひ、ぐ、う、…も…、やだ…」
手足を拘束されて動けない奥村くんを抱き起こすように、背を押して起き上がらせたのは、意外にも金兄で。
「おーぐちゃぐちゃやな、顔。かーわい。」
ひぐひぐと泣きじゃくる奥村くんに、抱きしめながら ちゅっちゅと可愛らしいキスを落としていく金兄をじっと見た。
泣き腫らした目尻にも、鼻水垂らしてる鼻のてっぺんにも、精液べったべたの唇にもキスをしている。
ちゅうちゅうされながら奥村くんの眼がとろん、と蕩けてくる。
いやいやいや、あんだけ酷いことされて懐柔されるん速すぎやろ。
ていうか、金兄もよう自分のザーメンついた唇にキスできるな。
そこまで考えて、そういえば、まともにキスしたことなかったことに気付く。
だって、変やんか。いくらセフレでも男とキスなんか。
「ぅあっ…ん、んっ」
悶々と考えていれば、急に中に埋め込んでいた指が、ぴくんぴくんと内壁が蠢いたのを感じ取った。
「奥村くん?」
視線を上げれば、金兄が後ろから抱きしめるように手を回していて、その手は両方の乳首をぐりぐりと摘み上げている。
「へぇ。奥村くんて、乳首気持ちええん?」
「――っ、ちが…ッあ、」
「ちゃうことないやんなぁ燐くん。ていうか廉造今までこっち触っとらんかったんかいな。」
「男て乳首触ってアンアン言うもんなん?」
「人によるんちゃう。俺も乳首舐められんの好きやし。」
「げ、マジで?」
「げ、って何やねんドツくぞ。つか、そっちまだ?」
「んー、もういける。」
兄弟の会話としては、最悪の部類だろう。
坊や子猫さんには絶対聞かれたくない。同じエロ話題だとしても、どうもあの二人の前で生々しい話題は向かない。
「燐くーん、入れてえぇ?」
金兄の言葉に、ぎくりと奥村くんが身を強張らせる。
解していた指を引き抜くと、その感覚にぶるりと体を震わせた。
仰向けの態勢から、ぐい、とその不安定な体を引き寄せて膝を立てさせ、またうつ伏せにさせると、這いつくばるような格好にさせる。
「や…や、っ志摩…しま、っ」
逃げようにも、全く自由の無い体だ。
首を左右に振りながら、ぽろぽろと涙を零して俺の名前を呼ぶしかできない抵抗に、金兄が捕食者のように笑った。
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