毒を孕む薬 (4/5頁)

僕が扱う武器から、できるだけ兄さんを傷付けるものを無くしたかったのは本当で。



とろとろに蕩けたそこをかき混ぜれば、ぐちゅりと卑猥な音がした。

いつもより熱くて、きゅうきゅう締めつけてくるのに、柔軟に指を受け入れる。

「ああぁあ、あぅ、や、あ」

内壁をひっかくだけで、達した時のように体をびくびくと跳ねさせた。

「ナカ、すごく熱いね。気持ちいい？」

「へあ、ぁ、あぁや、」

ぐりぐりと前立腺を強めに撫でれば、シーツをぎゅっと握りしめ、開いたままの口からはあられもない声が次々と零れる。
閉じられない口端からだらだらと漏れる唾液を舌ですくい取ると、戻すようにそのまま口づけた。

「ぅンっ、ん、っんぁ」

キスをしたら後孔が指を引きこむようにうねる。

「凄いことになってるよ、兄さんのナカ…」

「あぁや、あ、ぁあああ…！！」

耳元で囁いて、そのまま舌をその小さな耳の孔に差し込んで中を蹂躙すれば、指を飲み込んでいる内壁が、ぎゅうっと急に痙攣した。

「まだ指１本なのにね。耳のナカ舐められてイっちゃったの？」

泣き声混じりの荒い呼吸が聞こえて、それを聞いているだけでぞくぞくと快感が背を這う。

零れる涙の向こうに見える蒼い瞳は、どうにか焦点を保っていて、助けを求めるように揺らいでいた。

「はひ、っゆ…き、ぃ」

必死に、僕だけに、助けを請うその姿があまりにも可愛くて。

「何回でもイかせてあげる。ね、どうして欲しい？」

そう聞きながら達したばかりで震える兄さんの自身を擦ってやれば、過ぎる快感に悶える兄さんの声だけが部屋中に響いた。










「やああぁ、イあっ」

埋められていた指が去って、閉じて行く内壁をこじ開けるようにまた差し込まれて。

その割り開かれていく感覚が、どうしようもなく背筋を痺れさせる。

「ひぁ、っも、もうっ、っぐンっ」

今度は内臓を押し上げるように奥を突かれて、息が詰まる。

苦しいはずなのに、それすら脳内を痺れさせるほどの快感を運んできて、どうしたらいいのかわからなかった。

「兄さんのココ、いつも３本でぎちぎちなのに…４本目入っちゃいそう。」

「やあ―――！！」

入り口の皮膚がいっぱいいっぱいに広がっているのが自分でわかる。

いやだ。恥ずかしい。こんなの。

またぼたぼたと勢いのない射精をしたのが分かった。

もう感覚が曖昧で、さっきから漏らしているかのように何度も何度もイかされている。

「ぃた、ィぁあ！！」

さらに先端を指でぐりぐりと擦られ、爪を立てられて、また小さくとぷりと吐き出す。

「痛いのにイっちゃったんだ。まだ出そう？」

雪男の言葉に顔が熱くなるのが分かる。

でも恥ずかしいと思う暇すら与えられないまま、じゅっと先端に吸いつかれて、頭の中が真っ白になった。

「やぁ―――！！ああぁあぁああ！」

吸い上げられるように無理やり射精させられて、その快感について行けなくて、ただただ体中が震える。


そしてやっと解放されて、後ろからもずるりと全ての指が抜き去られた。

「うぅあ、ぁ…」


ひくひくと痙攣が止まらないまま、ぶれる視界の中で視線を彷徨わせると、雪男の熱っぽい視線に捕えられた。

小さく舌舐めずりするその姿は、明らかに欲情そのもので。


俺の、知らない顔。

俺の、知らない雪男。


どこ行っちゃったんだ、俺の、弟は。


「ゆき…」

ぼろ、と零れた大粒の涙を、あたたかい舌が掬った。

「愛してる…。愛してるよ、兄さん。」


あい、って。なんだ。


その問いを投げかけることもなく、自問自答する暇もなく、灼熱の楔が一気に奥の奥まで穿たれた。




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