恋の心音5 | ナノ


恋の心音(5/5頁)
「欲しいんや、奥村くんが。…どうしても、今。」

真っ直ぐ俺の眼を見てそんなことを言われれば、志摩の手を掴んでいる指から力が抜けていく。

少し離れた所に僅かに見える灯籠と、花火の明かりだけに照らされて、なんだかいつもの志摩と少し違うような気がして、ドキリと心臓が鳴る。

「っあ、…し、ま…ッ」

浴衣の合わせ目から忍び込んできた手が皮膚の薄い太腿の内側を撫でて、ぞわぞわと腰に痺れが走る。

そのままするすると上へ上へと登ってきた手の感覚に、思わずその手をまた掴むと、左の乳首をカリッと噛まれて思わず志摩の髪をゆるく掴んだ。

「――ッ、ンぁっ」

そのままあぐあぐと甘噛みされて、痛いはずなのに背中にぴりぴりと違う感覚が走る。

そっちに気を取られていると、志摩の手が俺の自身をやわやわと揉むように擦ってきた。

「は、ぁっ…、ぅ、んあっ」

左胸ばかりを噛んだり舐めたり、不意にキツく吸われたりして、そこがジンジンともどかしい熱を生む。

俺は志摩にしがみ付くことしかできなくて、擦りあげられている場所からくちゅくちゅと聞こえだした水音に、恥ずかしくて足が震えだした。

「あんま大きい声出したら、人来てまうかもしれんよ?」

熱い息が耳にかかって、それすらぞくりとするのに、志摩のひどい言葉に思わず両手で自分の口を塞ぐ。

やっぱりこんなとこでやめよう、と眼で訴えても、志摩は熱に浮かされたような顔でふわりとほほ笑むだけで。

「ふ、っっ…っン、ん――…!」

先走りを掬うように先端を撫でられた直後、つぷりと指が自分のナカに侵入してくる。

俺のことなんか知り尽くした志摩の指が、すぐに前立腺を見つけ、何度も何度も擦られてすぐに両足がぶるぶると震えだす。

「ぁふ、っ…んン…!!」

2本目の指が差し込まれて、もうだめだと思った。がくりと崩れそうになる体を志摩の手にどうにか支えられて、ずるずると木の幹に背を擦りつけるようにしてしゃがみこんだ。

「あう…っ!」

その衝撃で志摩の指をより深くに受け入れることになったソコが、ひくひくと指を締めつけるのが自分でわかって、止められなくて、恥ずかしさに志摩にしがみつく。

「奥村くん、…もう入れたい…。腰、浮かして…?」

無知のままならこの熱に呑まれるだけでよかったのに、そんなことを言われれば、まるで自ら誘うように腰を浮かさなければならなくて、あまりの羞恥にいやいやをするように首を振った。

「…、りん、」

ずるい、ずるい、こんな時だけ名前を呼んで。そんな、甘くて低い声で。

「…あ…っ」

震える足を叱咤して腰を浮かせば、ずるりと指を引き抜かれ、代わりに志摩の熱が入り口に押しあてられた。

「そのまま、しゃがんで…燐のナカ、入りたい…」

「――ッ…!!」

後孔を少しだけ広げるように、く、と先端を含まされて、この行為の先にある快感を強制的に思い出さされる。

「…ぁ、あっ…ふ、」

口を志摩の肩口に押しつけるようにして声を殺しながら、ずず、ずず、と少しずつ志摩のものを飲み込んでいく。

自分が足の力を抜いた分だけ、内壁を押し広げられて、自分の意思で志摩を受け入れていってるのだと実感させられる。

「おくむらく、っ、ごめんやで、」

何かに耐えるような声音をした志摩に謝られて、何のことかと考えようとした瞬間、両手で腰骨を掴まれた。

あ、と。その意図に気付いた瞬間には、一番奥まで焼けるような熱い楔を打ちつけられた。

「ひ、あぁぁあ――っ!!」

まだ半分ほどしか飲み込んでいなかったそれを、一気に奥まで差し込まれ、一瞬頭の中が真っ白になる。

浮かしていた太腿が、志摩に体重を預けるようにぴったりと志摩の上に乗っていて、それが志摩のモノを全部 飲み込んだことを証明していた。

「あう…っあぁ…あ…」

その衝撃に耐える暇さえ与えて貰えず、ゆさゆさと前後に腰を揺さぶられて、びくびくと何度も体が跳ねる。


「好きや、っ奥村くん…りん、燐っ」

「や、ぁ…っしま、待っ、アぅ…!」


長い腕で力いっぱい抱きしめられながら、低い声で名前を呼ばれながら、熱い内壁を擦られて。
追いつけない快感に溺れそうになる。

「あ、あ、あぁっ!」

「好きや、たまらんくらい、すきや…っ」

ドドドンッという低い音の連続に志摩にしがみ付きながら上を見上げれば、知らないうちに溜まっていた涙の水膜に、空いっぱいの花火がキラキラと揺れて映った。

「あ、ぁっれ、んぞ、っ」

なぜか心臓がきゅううとなって、気が付いたら自分からキスをしていた。


ドクリとまた志摩のモノが体積を増して、少し苦しかったけど、嬉しかった。

「燐、燐…っ」

「あ、あぁア―――――ッ!!」

引き上げるように先端まで引き抜かれたソレが、また一番奥まで差し込まれた瞬間、花火みたいなチカチカが目蓋に映って、一際強い快感に飲み込まれた。



「燐…、愛しとる。」


最後に打ち上がった花火の音は、まるで俺達の心臓の音みたいだと思った。

恋の心音
(うち上がって、弾けて)







アキラ様リクエスト、柔&金が燐にちょっかい出してヤキモチ、
からの〜
しゅがぁ様リクエスト、夏祭りデート→浴衣ぷれい
で、甘め仕上げで書かせていただきました!

志摩家に愛される燐たんが好きです。
むしろ勝呂ママとか、もう京都に愛される燐たんが好きです!(何の告白)

浴衣とかも萌えアイテムもありがとうございます!

思わず長くなってしまいましたが…京都お祭りデート、書けて嬉しかったです♪

そして10万打のお祝いコメント、嬉しいですっ(*^o^*)
ありがとうございました!!






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