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「君は私のことどう思っている?」ととある日の昼下がり竹中さんがポツリと漏らした。私は瞬きを繰り返しいきなりどうしたのかという言葉を零しかけたが飲み込んだ。返答を頭で駆け巡らせ不意に竹中さんを見るとじっと私を見つめている瞳とぶつかった。ドキリと肩が跳ねる。

「た、竹中さん?」
「ん?」
「あの、今日はどうしたんですか。いつもと少し、違いますよ……?」

竹中さんはどことなく顔が赤い気がするし彼の尾ひれは忙しなく動いている。一言でいうと落ち着きがない。

「私のこと、どう思ってる?」
「また、どうしてもそれですか」
「聞きたいんだ」
「……、すき、です」

これで満足ですか!と竹中さんに背を向ける。こんな昼間からしかも外だし。恥ずかしいったらない。そんな私に竹中さんはクスリと笑って分かってたよと言った。

「っ!また馬鹿にして、!」
「馬鹿にしているわけじゃないんだ。ただ、可愛いなって」
「なんでそうはっきり言えるんですかっ!」

今の私はきっと林檎と同じくらい赤いのだろう。ザバリと水の音がした。背中が濡れてふわりと竹中さんの香りが私を覆ったところで私は彼の抱きしめられたのだと理解した。後ろから抱きしめられた状態であたふたする私に竹中さんはもう一度笑った。そして、私は耳元で甘く囁かれた言葉にさらに赤面することとなった。



「私は君と結婚したいと思うんだけれど、どうおもう?」



「竹中、さん、もしかしてこれ言うのに今日、変だったんですか?」「ああ、柄にもなく緊張してね。それで、答えは?」「あの、どうおもうって言われたらすごく困るんですが」「ん、じゃあ、結婚しよう?」「っ、だからどうしてそうもはっきり!」「……」「……竹中さん、一緒に、しあわせになってください」「勿論」



12/08/15 日和/フィッシュ竹中
どうおもう様に提出
参加させてただきありがとうございました!




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