青城との練習試合の日。さーて、場合によっては本気でも出すかな。なんて考えていた。なんだかんだで僕は友人に甘いようだ。

「ねぇ王様」
「あ?その言葉で俺を呼ぶな」
「ツッキー!取りあえず今は喧嘩売るの止めよう?影山、天城ちゃんの幼馴染って分かる?」
「…国見だろ。いつも2人で居たし。っていうかなんで天城の事知って…」
「友達だからだよね!ツッキー」

え、山口ならまだしも月島と友達ってあいつ大丈夫なのか?なんていう影山にイラっとした。

「で、国見ってやつどれ?」
「あー…と、あれだ。真ん中分けの。さっきお前と田中さんが喧嘩売ってた金田一の隣」
「ふーん…あいつね。影山、とりあえず徹底的にあいつ潰してよ、それでさ最後に「天城烏野だけどお前どうしたの?」って言ってやってよ」
「いやお前が言えよ。それにあいつほとんど動かねーぞ。やる気がないっていうか」
「ちっ。王様使えない」
「おい聞こえてんぞ」
「とりあえず、ガン飛ばしといてよ」
「意味わかんねぇ」

察してよまったく、これだから王様は王様なんだ。






▽△▽



「…なんかお前、影山とあのでっかい奴に睨まれてね?」
「知らない」
「いやー…確実に…」

確かに、影山と…いやどちらかと言うとその隣に居るでかいやつにガン見されていた。しかも、目が合うと嘲笑うような顔をするのだ。なんかむかつく。そういえば、さくらは烏野だったな。影山は、さくらに会ったのだろうか。むかつく。

「おい、国見」
「なんですか岩泉さん」
「最近みたいな荒れたバレーは許さないからな」
「ああ、大丈夫ですよ」

それ、この前吹っ切れましたから。もう、後手に回るつもりありませんし。そういうと、岩泉さんは何故か引いた。なんですか、その反応。

「いや、お前天城以外の前でも笑うんだな」
「は?」
「及川のやつ、この前余計な事したかと思ったら…まぁなんだ頑張れよ」

取りあえず、今は目の前の試合集中な。と背中を叩かれた、痛い。あーあ…まったく。練習試合だから今日もサボって手を抜こうと思ってたのに。未だに煽るような表情でこちらを見る烏野に、睨みを入れた。及川さん来るまでは、まぁ程よく相手してやる。「お前がちゃんとアップをしてるだと…」と驚愕の表情を浮かべる溝口コーチのセリフにちょっとやる気が下がった。






▽△▽



「ツッキー、なんか国見君?に睨まれたね」
「なんだ、あっちもヤル気じゃん」

そりゃあ煽ってるんだから、乗ってくれないと困る。ここまでしてやってるんだから、天城に明日飲み物でも奢ってもらおう。そう考えていると菅原さんに「なんか今日月島やる気あるな?」と言われてしまった。

「今日さくらちゃんにも来てもらえば良かったな―」
「そうですね…幼馴染君煽るには一番効果的…は?」
「ん?」
「なんで、天城の」
「月島と山口と仲良い花の女の子だべ?」
「花…?」
「あ、いやなんでもない。仲良い女子から応援されたら、嬉しいべ」
「あ、どうでもいいんで。そういうの」
「月島は冷めてるなぁ」

僕はなんで天城の下の名前を呼んでいるのか気になったんだけど。菅原さんとの接点が思いつかない。なんだ花って。花の女子高生、的なあれだろうか。「それでは練習試合を始めます!」という声で思考は中断された。「ほら、勝って明日さくらちゃんに褒めてもらえ!」と背中を叩かれた、痛い。というか何か、勘違いされている気がする。にこにこと笑う菅原さんを目の前に、もういいやとめんどくさくなった。勘違いされて悪いきはしない、なんて絶対に言ってやらない。



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月島→国見→月島の順で視点変更
読みづらくてすいません


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