「あ、国見君!」
「…」
「どう、したの?」
「いや、わかりやすいなと思って」

前よりは花の量が減ったらしいが、やはりコントロールは難しいようで。
部活やら練習試合やら大会やらですっかりさくらと会う回数が減ってしまった。ゆっくり2人で会うのは本当に久しぶりで、俺も嬉しいんだけど

「花、足元見て」
「…わっ。いつのまに」

小さい桃色の花が地面に散らばっていた。慌てるさくらに笑みが零れる。頭に乗った花が、髪飾りに見える。着ているワンピースと花がよく似合う。

「うわわ、どうしよう。頭に花がひっついちゃった」
「そのままでいいんじゃない」
「ええー、造花ならまだしも生花だよ?」
「大丈夫、似合ってるから」
「…色んな意味が含まれている気がする」
「よくわかったねお花畑さん」
「だから違うってば!」

はいはい、ごめんごめん。と俺はさくらの手を取った。

「どこ行きたい?」
「どこでもいいよ」
「一番困る」
「うーん…あ、この前出来たカフェ!ケーキが美味しいって評判の!」
「いいよ」
「私ね、話したい事沢山あるの」
「いいよ、全部聞いてあげる」

俺は、中学からの文句を言ってやりたいけどね。それでも、楽しそうに笑うさくらを見て仕方ないなと思ってしまった。

「さくらさ」
「なぁに?」
「俺の事、好きだよね」

またふわふわと花が舞った


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