君の胸で




ふと夜中に目を覚まし辺りを見渡せば隣で一緒に寝てた筈のシンの姿が見当たらなかった。

シンが寝てた場所に、俺は手をあてるとすっかりシーツの冷たさを取り戻ししているそれに、シンは何十分も此処に帰って来て無いと分かった。

部屋の中を見渡してもシンの姿は何処にも無く、俺は何とも言えない胸騒ぎを抱えながら部屋を飛び出した。

俺は艦内を歩きシンの姿を探した。
中々、見付からないシンに苛立ち始めた頃、甲板に到着した。
そこには、俺が探していたシンの姿があった。

何をしてるかと、シンの後ろ姿を見詰めていると、シンは身体震えさせ、うづくまってしまった。

俺はそんなシンの元へ慌てて近付き、シンを抱き締め顔を覗き込んだ。

「 シン‥?大丈夫か‥?」

「 カミー‥ユ‥?」

シンは涙で濡れた赤い瞳で俺を見、ぎゅと震える手で俺の服を掴んだ。

そんなシンに俺は優しく抱き締めながら頭を撫でてやった。

「 カミーユ‥カミーユ‥っ‥カミーユっ。」

譫言の様に俺の名前を呟くシンの姿は今に消えそうで抱き締める手に俺は更に力を入れた。

「 大丈夫だ、大丈夫だよ。シン、だから泣くな。」

出来るだけ優しい声色で囁きながらシンの身体を抱き締めていた。

「‥カミーユ‥ありがとう‥っ‥何か変な夢見ちゃって‥。やっぱりカミーユは俺が寂しい時必ず来てくれるよな。」

「 落ち着いたか?、お前だって俺が不安な時一緒に居てくれるじゃないか。お互い様だよシン。」

そう言いなながら、俺はシンの身体を抱き締めまま甲板の床に座り込み、シンを自分の股の間に座らせた。

「 カミーユの腕の中落ち着く‥。」

そう言いながら俺に凭れてくるシンの瞳からは涙は無くなっていた。

「 カミーユ‥ありがとう‥大好き‥‥っ‥。」

普段、恥ずかしがって余り言ってくれない愛の言葉を囁くシンをぎっと背後から強く抱き締めた。

「 俺も大好き。シン愛してる」

その言葉と同時に俺はシンの唇を俺の唇に重ね合わせた。




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