隣で笑う君が好き

「隣で笑う君が好き。」


いつも、いつも、気付けば彼奴が隣に居た。

辛い時も、悲しい時も、寂しい時も、嬉しい時も、楽しい時も、全部全部、彼奴と一緒だった。

彼奴が笑えば俺も笑う、彼奴が悲しめば俺も悲しくなるそんな毎日の繰り返しが俺は幸せで幸せで堪らなかった。

けれども、そんな幸せな毎日も過ごす一方で、俺は不安で不安で堪らない毎日でもあった。

俺の隣で笑ってくれるその笑顔は本物なのか、俺と一緒に居て楽しいのか‥。

そんな事ばかり考えて仕舞うと、俺は苦しくて苦しくて仕方なかった。

彼奴に分からない様に無理して笑っていても彼奴にはすぐに分かって、「大丈夫か?」と聞かれてしまう。

それが嬉しくもあり、辛くもあった。

ごちゃごちゃに渦巻く感情に襲われる中彼奴はこう言った。

「お前が、何考えてるのか知らないけど俺はお前が側で笑ってくれてるこの毎日が愛しいんだ。」

そう照れ臭そうに笑い、俺の頭を撫で部屋から出て行った彼奴の後ろ姿を見送った後、俺は何だか凄く恥ずかしくなった。

「‥なんだよ、恥ずかし奴‥、ありがとな‥カミーユ‥。」

小さく呟いた言葉は暗闇に消えていき、黒髪の少年は青い髪の少年を思いながら今日は眠りについた。



[ 17/17 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -