無理矢理なんて人聞きの悪い…
*激裏注意*
「痛っ、離してぇな柔兄…」
仕事を終えた帰り、柔造に痛いほど強い力で腕を掴まれ引っ張られた。
そして連れて行かれた先は屋敷の地下牢、その意図が分からず俺は必死に抵抗するが現役のガードマンに掴まれた腕はぴくりともしない。
そのまま乱暴にドサリとベッドに投げ出される。
「やめ、何すんねん!」
途端に世界が反転したと思ったら、そのまま俯せに押さえ付けられた。さらに柔造は無言のままネクタイを引き抜くと、引き抜いたばかりのソレで後手に俺の手首を拘束する。
いったいなんやねん……!?
「…柔兄!柔兄!」
震える声で呼んだ名前は無視され、性急にスラックスに手をかけられる。
「なっ!そんな…っ!」
熱い手のひらで萎えたままの自身を握られ、息を飲んだ。
「や、やだやだ、やめろ…っ」
「…黙っとき?それ以上身動き出来んくなったら嫌やろ?」
やっと発せられた兄の声は、信じられないくらい冷たいものだった…
そばで衣擦れの音が聞こえ、恐らく兄のネクタイであろう布で目を塞がれた。
「やあっ!柔兄!痛っ!柔兄!」
柔造は恐怖に萎えたままの俺自身から手を離すと、後ろに渇いた指を挿入する。
無理矢理に異物が入って来るその痛みに、目を見開き、声ならぬ悲鳴をあげた。
「……、…っ、!」
何で、どうしてこんな。
(今まで…優しいお兄ちゃんやったんは…嘘だったんかなぁ?)
しかし廉造には不思議と怒りという感情が湧かなかった…
それは、兄が俺を本当に慈しむように愛してくれていたのを知っているから。
指が引き抜かれ満足にほぐされてないそこに熱いものがあてがわれる。
「ひっい!?や…、くぁあああっ…!」
指と比べ物にならない程の圧迫感と痛みに背中を弓なりに逸らす。
「あぁ、う…」
ガクガクと揺さぶられながら痛みと恐怖に怯えた。
視界は塞がれ顔は見えない、柔造は喋らないから声も聞けなくて…まるで違う誰かに抱かれてるみたいだった。
「や、やぁ、恐い…っ!おにいちゃん…!たすけて、…っ」
付けばただ必死に愛しい人を求めていた。
「…廉造」
やっと聞こえた柔造の声に期待値が一気に上がる。
そう、早くネクタイを解いてこんな馬鹿げた事を止めよう…
「お兄ちゃんやないやろ?ご主人様って呼ぶんやで?」
……ああ…俺の記憶の中の優しい柔兄は…もうどこにもいない…
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