魚肉…
只今、俺…金造は煩悩と大格闘中。
それもこれもみんな目の前にいる弟、廉造のせいや!
「…エロい」
「なにがです?」
「それがや!」
廉造はまったく自覚がないようなので、俺がここまで精神を揺さぶられてきた原因を指差す。
しかし、それでも廉造は理解できないようだった。
「え?ただの魚肉ソーセージやん?」
「いや、んなことは分かってんけどな…」
分かっとるわ!
ただの魚肉ソーセージだって!
でもなかなかに太い棒状の形、薄いピンク色があらぬものを彷彿とさせ、先程から我が化身は活性化しっぱなしだ。
(…ここが座敷で良かったわ…)
「柔兄がくれたんやけど、これ食いにくいんよ」
廉造は僅かに頬を紅潮させ、恨みがましく呟く。
「柔造……」
間違いなく確信犯やな…
きっと今頃どこかからこちらを覗いているであろう。
しかし廉造はそんな事つゆしらず再び口元にそれを運ぶ。
「んぁっ?…なんやここらへん、えらいおっきぃわ…」
「っ……!」
おかんすんません…
俺、道を踏み外しますわ…
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