Silver spoon wars
ふしぎなお茶会、きらめく銀の匙

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「ねえ、これ、なんかモンスターみたいでかわいいとおもわない?」
 あたしはずばん!とチョコレートでできた目をくっつけたカラフルなわたあめをリコットちゃんの顔の前に差し出した。まあまあまとまったわたあめだけれど、ところどころアホ毛のようにわたが飛び出している。
「えー、うーん、僕は不細工だなあと思うよ」
 だなんてリコットちゃんが言うから、あたしは再びわたあめモンスターと目を合わせる。むむ、たしかに不細工だけれど、よく見るとなかなかかわいい顔をしている。ぶさかわ、というやつだ。
 「あっルトメ先輩ではないか!見てくれっ、こんなに素晴らしいわたあめが作れたのだよ、」
 あたしがわたあめモンスターとにらめっこしていると、突然横から新しいモンスターが割り込んできた。わたあめの突進に合わせ、あまい香りがもわんと漂う。そこにいたのは、オペラちゃん。今日は手伝いとして来ている彼は、すっかり馴染んだような貫禄を持っているけれど、まだ一年生の年下だ。
 彼が持っているわたあめは、目だけでなく鼻や口のついたモンスターである。妙にリアルなだけでなく、また同じように不恰好だ。
 あたしはなにも聞かないで、彼の持っているわたあめを口に放り込んだ。もわんとあまい味が広がる。文化祭はまだまだこれからだ、と考える。



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