「明日死ぬようなわたくしよりも、大切にするべきものが貴方にはあるでしょう」




クノー

白茶 / ♀ / 14y


 病弱の女。確実な死を目の前に、ただ隔離された部屋で延々とベッドの上に佇んでいる。動くことは少ない。食事、トイレ、風呂以外で動くことはない。無理に動くと咳き込んだり貧血になったりするのであまり推奨されていない。本人も特に外に出たい動きたい!という意思がないのでだらだらのんびりと一日一日を過ごしている。
 今まで看護師や医者などの大人ばかりを相手にしていたため、年齢のわりに言葉遣いがやたら大人びている。昔から病室にいて何もしてこなかったため、今どきのものに疎い。興味がないわけでは、ない。

 細くて今にも切れてしまいそうな白髪はだらんと力なくベッドに揺れ落ちている。前髪とかそういう概念はない。伸びるにつれてウェーブが出てきたようで、毛先に近付くとふわふわと揺れている。まつげばさばさのラベンダーアイスはいつも伏せている。視線は合わない。鼻筋はすっとしていて、唇は薄い。洋の香りがする顔立ち。生命の危機を感じる儚げさがある。やせ細ってるわけではないけど弱々しくて小さく見えるので守ってあげたくなる(めるつは)。肌が異常なほど白い。外に出てないからかな。
 服装という概念も、ない。基本病院服だし、私服でもう上にシャツを着るくらい。下半身はそんなに出さないからズボンで移動してる。靴も履いたことなくて、スリッパばっかり。暖かいのを常備している。靴下は履くよ。あったかくてふわってしてるもの。冷え性、というかすぐ体が冷えるからブランケットや毛布が近くにたくさん用意されてある。身長はたぶん、149cm。

 つかったことがない。ので、わからない。何かしらはある。

 一人称はわたし、かしこまったときや壁を作る際にわたくしとか。二人称は貴方、名前を呼ぶ際はさん付け。
 部屋は皆の部屋の並びとは少し違い、ちょっと離れたところの隠された場所にある。噂話で聞く「開かずの部屋」がもしかしたら、そうかもしれない。部屋はほぼ病室と同じで、入る際に空気でほこりを吹き飛ばすあの消毒ゲートがある。そして2つ目の扉を開けると彼女の部屋が。殺風景で花も道具も何もない。点滴スタンドと心肺を測る機械があるのみ。外を眺めるしか暇を潰す方法はないのでずっと窓を眺めている。その先には中庭が見えるそう。






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