一筆申し上げます。
 暑い日が続いております。太陽が、かんかん。麦わら帽子が似合う女の子になりたかったのですが、生憎わたくしは妹のように容姿が整っておりませんので(妹は贔屓目無しに容姿が本当にかわいいのです)、それは適わず、日傘で夏をやりすごしております。みなさまはお元気に過ごしておられますか。熱中症にはくれぐれもお気をつけくださいませ。
 さて、あとがきらしいことでも書いておこうかなあと。
 今回のおはなしは結構書くのに時間がかかりました。七月半ばに構想を立ててから、八月十日まで、放置。構想は描いたものの、メルヴァレ以外はなかなか文章に起こせなくて。時間がなかったというのも言い訳のひとつですが、なめらかに文章が書けなくって。文章ががたがたでこぼこしていて、すらすら書こうと思うほど怪文書になってゆくのです。これは八月九日まで続きまして、ちまちまアンソロを書きつつもこうじゃない!とバックスペースを連打する日ばかりでした。
 ですが転換点が訪れました。今あとがきを書いています、八月十日です。がばがばヨルシカとかサカナクションの曲を聞きながら作業しますと、次第に手が進むようになりました。リリクザと悠レイとみんここが今までのずるずるとした作業が嘘みたいに出来上がりました。なぜでしょう。やっぱり音楽は万能薬だったんだ。
 なんやかんや今回も書いてて楽しかったです。リリクザ、メルヴァレ、悠レイ、とちょっともやっとする終わり方をするのですが、リ&ロでまあもやっとすることも含めて色んなことがあるよねということになり、ミンココも鮮やかでいて遠すぎる夏の下、色々あるらしいよくわからない終わり方をします。色々あるんですようたぶん。人間は。人間に限らずすべての動物、植物、無生物にも、色々あるのです。幸せと不幸せにも色々あるし、おいしいものとまずいものにも色々あるし、好きなことも嫌いなことにも色々あるし、今までとこれからにも色々あるのです。
 また、入道雲が嫌いな人が作中に出てくるのですが、わたしは入道雲より海が嫌いです。自然の脅威をすべて濃縮して溶かし込んだのがあの海の青になるように思えます。入道雲が嫌いな気持ちも、なんとなくはあるのですが。夏空の代名詞としての地位を占めすぎたからでしょうか。今回書いたものたちは、そんな夏の象徴への反抗です。なんてね!
 と、こんな感じで立派な怪文書になってきましたので、そろそろお暇します。飴玉はなんだかんだ元気にやっておりますので、みなさまも心と体の健康な毎日をお過ごしくださいませ。それではまたお会いする日まで。
 追伸:前の手紙で短歌が詠めないと言っておりましたが、短歌を拙いなりに詠みはじめました。楽しいです。
かしこ  
  八月十日、十一日
飴玉  
ぎんさじ民のみなさま

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 八月読書感想文

 紗結莉さまの『【理解不能】』を読んで
 パルシクとフルシクだ〜!これは暗そうだ…と思って開いたらやっぱり画面のレイアウトも暗くてうお〜んとなりました。絶対ドロドロじゃん!
 水族館に行ったカップルって別れるみたいなこと聞いたことあるんですけれど、カップルではない彼らにはそのジンクスは適用されないのでしょうか。結局付き合ってはいないけど別れる感じになってしまいましたが。もしそのジンクスをパァルちゃんが知っていたら誘った時から…?なんてちょっと思ったりするんですけれども。
 シークさんのモノローグはすごくもどかしくて、もうもどかしくて、途中からこれはシークさんが悪いよ…(悪くはない)とさえ思うほどでした。いや曇り空にしてんのはあなたでしょ!とつっこんでしまった。う〜んでもこれがパルシクとフルシクなんだよなあ…(溜息)つらい。
 そのドロドロ具合をたくさん楽しめて面白かったです!パルシクやフルシクが幸せになるのは太陽系が死ぬときでしょうか……。

 桃津さまの『スクランブルエッグ』を読んで
 エナココだ〜(うきうき)!!さわやかな読後でした。
 何気なく一番心に来たのは、エナくんが弁当作ってくれる人なんていないって言うところです。ワア。これが入道雲の陰影みたいに、青春に薄い影を落としていると思うんですよ。これがなければココも動揺して卵焼きをあげることはないわけですし、屋上になんて行かなかったかもしれない。その垣間見える薄暗さがないとココの言う「青春」は成り立たないわけです。ちょっと切ない感じがする。
 桃津さまの書くおはなしっておはなしによって色んな表情があるのでとてもすきなのですが、今回のエナココはひとつのおはなしの中でも色んな顔があって、とても読んでいてわくわくして楽しかったです!何より桃津さま、ココがどういう思考回路をしているか熟知していらっしゃる……。また桃津さまのエナココが読みたいです〜;;



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