七夕 雨 願い 嘘 静けさ 秘密





「 ねえヴァレちゃん、雨だね 」
「 そうね 」
「 雨ってさ、雪もそうなんだけど周りの音をかき消してくれるんだよ 」
「 根拠は? 」
「 僕がそう思ってる 」
「 ……信頼性に欠けるわね 」
「 はは、酷いなあ……__ ほら ヴァレちゃんの髪の揺れる音も服が擦れる音も、聞こえなかったでしょ 」
「 …馬鹿ね 」

 ─────────

「 ねぇミントちゃん〜 」
「 はい!スアですねえ、どうしました〜〜〜? 」
「 あのねぇ?スア、えっと〜…えっとねぇ?…んとー…… 」
「 うんうん、ゆっくりで大丈夫ですよう〜〜 」
「 んー、っと〜〜……あ!あのねぇ、スア、ミントちゃんに言いたいことがあるの〜! 」
「 言いたいこと、ですか〜〜?なんでしょう〜〜?? 」
「 えへへ〜ミントちゃん、耳、貸して〜! 」
「 はいどうぞ〜!__、……ふむふむ…はえ、え〜〜!? 」
「 ミントちゃん反応面白いねぇ〜〜 」
「 だってだって、いまの本当の話ですかあ!?そしたら、スアは__ 」
「 これはねぇ、ミントちゃんとスア、ふたりだけの秘密だよぉ 」
「 ……もう、すあってば、 」

 ─────────

「 嘘だよ 」
「 … 」
「 えー無視?ウチの話無視するとかナマイキっ 」
「 …何の、どれが、嘘? 」
「 お、返事してくれたねぇ!えーでもわかんない、ウチ的にはさっきの話とか? 」
「 激辛ラーメンこぼしてボロ泣きしたって話? 」
「 そそ! 」
「 それマジの話?あのルカがこぼすとか有り得ねえ、と思ったんだけど 」
「 でっしょ〜??あはっ、嘘だよ! 」
「 ………?…は? 」
「 だからぁ、嘘だって! 」
「 …?…???何のどれが、 」
「 あはっベガ大混乱じゃん〜〜おもしろ! 」
「 いや真相を言えよ 」

 ─────────

「 オペラ 」
「 ──おやおや?うぇるるくんがワタシの名を呼ぶなんて珍しいねえ、もしかして熱があるのかい?それは一大事だ、今すぐワタシが看びょ 」
「 主のことについて教えろ 」
「 ……フム?どういうことかい? 」
「 主が「私のことならオペラがよく知っている」と言っていた。知っていること全て教えろ 」
「 ええ、あの人、そんなこと言ってたのかい…? 」
「 はやく 今すぐ すべて 教えろ 」
「 わ、わわわかったから三つ編みを掴むのはやめてくれうぇるるくん…!!! 」
「 ……ふん 」
「 っんん、こほん……ええと、主のことだよね?それなら短い話でもないし、お茶会でもしながら話さないかい?ちょうど新しい茶葉が手に入ったのだよ! 」
「 …おれはべつに、興味な 」
「 主も気に入って飲んでいたのだけれど 」
「 はやく用意しろ 」
「 あっあっ行動が速い…!!それくらいワタシとの会話にも興味を持って欲しいものだよ…、 」

 ─────────

「 願いごと、なんて書いたの? 」
「 ……へ、あ、私ですか? 」
「 うん、みまちちゃんの 」
「 えっと……無病息災…って…あはは、ありきたりすぎますよね 」
「 みまちちゃんらしくて良いんじゃないかな、大事なことだよ 」
「 そう言って貰えると有難いです……あの、リクさんのもお聞きしても…? 」
「 ん、良いけど…僕のもあんまり面白くないよ 」
「 ふふ、私のには適わないですよ〜 」
「 、そうかもね 」
「 あ、もう…笑わないでくださいよ、恥ずかしい 」

 ─────────

「 ねえ××くん、 」
「 ……なんだ? 」
「 今日、七夕なんだって。商店街で短冊貰ったの、一緒に書かない? 」
「 ……あー…俺、は… 」
「 あたし、願い事いっぱい思いついちゃったんだけど…これってひとつだけなのかなぁ? 」
「 …… 」
「 でもね、最初に書くのはもう決まってるの! 」

「 ───慶一郎くんとずっと一緒にいたい、って、いちばん最初に書くからね! 」
「 ……ああ、俺もだよ、寧 」





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