( 短歌 )
嫌なやつになっちゃいそうだよ もうじゅうぶん嫌なやつだよと抱きしめられる /宇都宮敦
( 詩 )
空 /谷川俊太郎
かたわらにいないと
あんたはもうこの世にいないかのようだ
窓から見えてる空がさびしい
ひろげたまんまの朝刊のみだしがさびしい
顔を見ていないと
あなたはもうお墓に入ってるみたい
私はひとりで空を見ている
天国でよりもあなたとは地獄で会いたい
いつも一緒にいたい
未来はあといつまで続くのだろうか
空のむこうにも空があるだけ
だからひとりでは見たくない怖くなるから
早く帰ってきて
さびしさは甘えじゃない
さびしさはふたりで生きている証し