WORKSCHARAEXTRADIARY


002 まどまぎパロ


〈魔法少女〉



ヴァレーニエ
 願い事は「契約時に思い描いていた、現実には起こりそうにない『虚構』が現実になること」。時間軸によって「虚構」の内容は変わる。ソウルジェムの色は暗い赤。濁り具合が若干わかりにくいが、よく見ればわかる。固有魔法は氷を生み出すこと。だいたい何でも形作れる。

ココ
 願い事は「素直になれる自分もいるようになること」。ソウルジェムの色は青。固有魔法は分身。細部がちょっとずつ違うのはこだわり。

煙羅
 現在の年齢では魔法少女にはもうなれない。なったのは8歳。願い事は「優しい人のもとで育ててもらうこと」。ソウルジェムの色は朱色。固有魔法は幸運を呼び寄せる魔法。ちなみに14歳のときに死ぬ。

ロゼ
 願い事は「あのひとと一緒にときを過ごすこと」。ソウルジェムの色はすみれ色。固有魔法は歌っている間は時を止める魔法。死ぬときはあのひとも道連れになるルートが多い。


 願い事は「日常を永遠に楽しく過ごすこと」。ソウルジェムの色は鴇色。固有魔法は時間の伸縮。時間を止めることはできない。

アルディ
 願い事は「強い自分になること」。ソウルジェムの色はビスケット色。固有魔法は左手で触れたものの強化。解除するときには右手で触れる。

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〈魔女化〉



ヴァレーニエ
 不思議の国の魔女。性質は虚構。真名は"Алиса"。虚構を愛し虚構に愛された魔女。物語の中の世界を見せたがる。外側の結界は白い薔薇園。内側の結界へは外側の結界中心部の地面の、ひとがギリギリ通れる大きさの穴から入る。その先は壁を本棚で埋め尽くされた円柱状の空間で、ひとは魔女に食われぬ限り落下し続ける。魔女のよろこびはその虚構の空間にあり続けることなので、内側の結界内に現実のものが入り込んでくるとそれらを片端から片付けてしまう。裏を返せば、虚構の世界以外に興味がないので人間を呪い魔女の口づけを施すことはほぼない。
 不思議の国の魔女の手下。その役割は茶人。もとは魔女の茶会に付き合うための手下だが、魔女は自分の手下にさえも興味がないようなので、いつも暇を弄んでは薔薇園の片隅で優雅に茶会を開く。自作ことわざ遊びでいつも遊んでいるらしいので、魔女文字で読み書きが出来るならば参戦してもおもしろいかもしれない。

ココ
 セーラー服の魔女。性質は純情。真名は”Branle”。お遊戯会でもするような舞台の上、後ろ襟から洗濯ばさみで宙に吊られながら、誰かが自分の手を取って一緒に踊ってくれるのを待つ。一見上半身のみの人型の魔女に見えるが、人間のように見える部分は手下で本体はセーラー服自体。服の襟を汚されることが大嫌い。弱点は襟から垂れているリボンの結び目。
 セーラー服の魔女の手下。その役割はマネキン。魔女を着ている。つまり前述の、魔女の人間の上半身のように見えている部分。腕や手を持たない魔女の代わりに、魔女の意思に操られながら一緒に踊ってくれるあのひとを待ち望むように腕を不気味に揺らす。
 セーラー服の魔女の手下。その役割は聴衆。客席で舞台上の進展を待ち望んでいる。その割にはお喋りしたり騒いだり、鑑賞マナーが悪い者が多い。魔女にとっては嫌悪の対象。

煙羅
 捨て猫の魔女。性質は夢想。真名は”Einsamkeit”。第一形態はただの小さな箱。うんともすんとも言わないけど、手下たちが必死にそれを守っているのです誰でもすぐにそれが魔女だとわかる。第二形態は化け猫。招き猫になってみたりもする。めちゃくちゃにでかい。魔法のかかった煙のような吐息を浴びると夢の中で自分がひとりぼっちな世界を見せられる。魔女は意外に小心者なので、幻想を見せられても大きな声で叫べばその夢は煙のように消え去ってしまう
 捨て猫の魔女の手下。その役割は護衛。もう魔女が傷つかないように、魔女のまわりを取り囲んで守る。その心意気はばっちりなのだが、自ら攻撃はできないため相手を太刀打ちできないと悟るとすぐさま魔女の背後に撤退する。

ロゼ
 小夜曲の魔女。性質は狂信。真名は”Caroline”。愛するひとなどないのに、『××のために』と題した何章にも及ぶセレナーデを五線譜に書き続けている。誰のために書いているかなど自分でもわからないので、題名は永遠に未定。ただ、愛しい誰かのための曲。もう何も思い出せない。もう何も終わらない。もう何も始まらない。手にしている万年筆のインクには毒がしこまれているので、そのインクで文字の綴られた紙を触ったり垂れたインクに触れたりするのは危険。
 小夜曲の魔女の手下。その役割は演奏。魔女の作った曲を片端からすべて演奏して、魔女の作曲の作業用BGMを奏でる。演奏ミスをするとこっぴどく魔女から叱られるらしい。


 夏祭りの魔女。性質は廻転。真名は"Zuckerl"。結界に踏み入れた者を、いつまでも続く、永遠に終わらない夏祭りへと誘い込む。どこが祭りの中心かなど全くわからないほどどこもかしこも賑やかな結界内だが、踏み入れた者たちは自分たちがどんなに歩いても同じ場所を延々と堂々巡りしていることにほとんどのひとは浮かれていて気づかない。魔女自体は人前には出てきたがらないので、会って倒したくば巡邏の魔女の手下にわざと捕まり魔女の前に差し出されるがいい。
 夏祭りの魔女の手下。その役割は巡邏。夏祭りに外界から潜り込む者を祭りの和を乱すとして捕まえては、魔女のところへ差し出し彼らに鉄槌を下すことを求める。あくまで生きたまま差し出すのが目的なので捕まっても殺されることはないが、袋叩きに遭うのは確実であろう。

アルディ
 貴婦人の魔女。性質は崩壊。真名は”Sprödigkei”。あらゆるものの虚像をつくりだしては、両手で触れるだけでもろもろ、ぼろぼろに壊す。悲しそうにしているのか楽しそうにしているのか、表情は大きく華やかなボンネットの影に隠れて全く読めない。ビスケットでできた両手で触れられれば人間の身体もすぐさまぼろぼろに壊れてしまうが、両手は大きい割には意外と脆いので触れられる前に石ころでも投げつけて片手を壊せば問題ない。ただ、手の再生スピードははやいので油断せぬよう。
 貴婦人の魔女の手下。その役割はお片付け。魔女はなんでもすぐ壊すので仕事が多く過労死しそうだとか。正直、できることなら今すぐにでも転職したい。



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