2021/04/18 追記
 こんにちは。短編集をまた書いたので、今回もあとがきをつけようと思います。というのは建前です。ただただわたしは、あとがきを書くのがすきなのです。
 さて、季節感を押し出した短編集は、本作『あなたは光る風』の他、『2019年大晦日スペシャルと』、『君と気象予報を見る幸せな日々』があります。そういえば、短編集の目次や本文レイアウトがだんだんと進化している気がしなくもないですね。本作のページに使用した桜のイラストは、終夏さまからお借りしました。実は、この桜のイラストを使いたかったがためにWebデザインをつくり、そのWebデザインを使いたかったがためにうぇろぜを書いたと言っても過言ではありません。
 そんなわけで、今回の短編集のテーマは言わずもがな、「桜」です。この上なく使い古された言い回しですが、本当に、桜は雪みたいに舞い散りますよね。4月の初め、桜の花びらを運良くキャッチしたのですが、キャッチできても本当にキャッチできたかわからないほどに、桜の花びらって薄くて、手のひらの熱で解けてしまいそうなんです。日に照されたアスファルトなどに触れたら、絶対に、解ける。
 でも、落ちた桜の花びらは実際は解けることはなく、風雨にさらされてくすみ、茶色ばんで、しわしわになって、桜の木に葉が生えそろう頃には、道路の側溝にぐじゅぐじゅの塊になって溜まっているのです。
 それってなんだか、くるしく感じてしまうのですが、でもそれ以上にうれしいのです。表現が正しくない気もしますが、ほくそほほえむような気分になります。ああ、春の象徴は、こうして春の終わりを迎えるのだ、と、側溝を眺めているだけで、世界の一部を知ったような気になれるのです。
 もうひとつのテーマは、「信じる」です。交わされた約束が実現する未来を信じる。春が終わったら夏が来る未来を信じる。あなたを信じる。わたしを信じる。「信じることはいいことだが、信じないことの方がもっといい」と言った人がいるらしいですが、わたしはそうは思いません。信じないと何も始まりません。仮定することから科学が発展してきたように、信じることから未来は生まれるのです。今を生きるということは、未来へ向けて生きるということですから、何かを信じていかないと、未来どころか、今をしっかり生きることもできません。
 まあ、わたしの思想について語るのはこの辺でおしまいです。6月にも短編集をあげようかなーと思っているので、よかったらお題をくださるとうれしいです!それでは。 
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