2020/06/23 追記
『熱情の草いきれ』あとがき

 わたしはずっと、草いきれには匂いがついていると思っているのです。草いきれという語に出会ったときから。
 草いきれは、草が夏の強い日光に当たることで生じるむせるような熱気のことです。たしかこの語に出会ったのは小4か小5か。「あれ」が存在するのは知っていたが、「あれ」を表す語がしっかりと存在していたとは!と感動したのを覚えています。
 ところで、夏にかくれんぼをしていますと、ここはすごい隠れるのによさそう、と思ったところが、むっとした草の熱気で諦めたことがありました。確かにその時、わたしは強い草のかおりを草いきれと共に感じたのであります。だからわたしは草いきれというと、あの熱気と草の胸がざわつくような匂いがセットで思い起こされるのです。
 わたしはそんな草いきれという語がだいすきです。夏になると一回は言いたくなるのです。そう、もう夏は来た!本格的ではないですが、この蒸し暑さ、天気予報を見るまでもありません。夏はここに、そこに、レイシャトレイのもとに、あるのです。たぶん 
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