3ヶ月間の嫁 | ナノ


「ちょっと銀さん!いくらなんでも安請け合いしすぎですよ!」
「バカおめっ500万だぞ500万!」

銀時の言葉に新八は大きくため息をついた。
金に目が眩んだとはいえ、依頼を引き受けたのだ。やるしかない。
新八銀時を無視して話を進めようとゆきの方に向き直る。

「それで、ゆきさん。具体的に僕たちは何をすればいいんでしょうか?」
「ええと、私の両親のところに挨拶に来てもらいます。うちの両親は世間体やら周りの目を気にする器の小さい人ですから、強引に行って話をつければ婚約も承諾すると思いますよ」
「じゃ、その挨拶はいつ?」
「今から1週間後です」
「1週間後かあ……微妙ですね」

新八がそう言いながら唸っていると、突然携帯の着信が鳴り出した。ゆきの携帯だ。彼女が慌てて携帯を取り出すと、電話に出る。

「もしもし……お父さん?え、今?今は恋人の家で――ええ」

ゆきが父親らしき人と話している間、新八は銀時に話しかける。

「1週間ですって。銀さん大丈夫ですか?」

すると銀時は頭を掻きながらフンと鼻で笑った。

「大丈夫に決まってんだろーが。ぶっちゃけ明日でも俺はいいぜ」

銀時の言葉に新八は呆れて言う。

「また嘘ばっかり。もし本当にそうなったらどうするんですか」
「嘘じゃありませんー。俺は一回も嘘ついたことねーもん。マジで余裕だから」
「それが嘘だろーが」
「あの……」

銀時と新八が言いあっていると、ゆきが横から話しかける。

「父の仕事の都合で挨拶が明日になったんですけど……」

彼女のその言葉に、二人が固まってしまったのは言うまでもない。






(ちょっ…銀さんどうするんですかこの展開!)
(どうするよコレェエエ!!)
(結局アンタも分からねぇんじゃねーか!)

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