「けいじ、もうよってしまいましたか?」

謙信様と前田慶次が月を見ながら酒を嗜んでいる隣で、わたしは謙信様に酌をしていた
先程まで散々1人で喋っていた前田慶次は酔い潰れたのか、うなだれたまま動かない

「もっとあなたのこいのはなしをききたかったのですが…」

そう言って静かに笑った謙信様のお顔が余りにも素敵過ぎる
ついつい謙信様のそのお顔を見つめていれば、隣にいた前田慶次の肩がピクリと揺れた

「………恋ねぇ」

小さく、ぼそりと呟いて何故か突然1人で笑い出してしまった
これには謙信様も少し驚いたようで瞳を丸くしている

「恋なんてただの言い訳だよ」

他の女なら喜ぶであろうさわやかな笑顔で前田慶次は言った
わたしはその言葉の意味がよくわからず、首を傾げてしまう

「実際は可愛い女の子抱ければそれで良し!!」

いきなりの爆弾発言にわたしも謙信様も聞き間違いかと思った
しかし聞き返すのにも勇気がいるような発言をされては、どうしたらいいのかわからない

「けいじ?」

「恋って言やぁ女の子は寄ってくるし抱き放題!!欲求不満解消!!」

謙信様は驚きの余り珍しく笑顔がひきつってしまっている
それに気がつかない前田慶次は、いつにもまして陽気な笑顔で爆弾発言を続けていた

「やっぱ恋っていいねぇ!!」

高らかに言い放った前田慶次に、わたしは渾身の力を込めて頬にビンタを1発お見舞いしてやった





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まさかの発言をさせてみたら
慶次が最低な男になりましたね

これには友達の謙信も
言葉を無くすでしょうきっと

女の代表でかすがに
制裁をしてもらいました




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