「…出来ない」

「ちょっとちょっと、途中辞退なんて俺様認めないから!!」

お互いポッキーの端に口をつけたままで、睨み合う
どちらかといえば睨んでいるのはあたしで、佐助は絶対にこの状況を楽しんでいる

「だって無理だもん!!近いもん!!あたしばっか進むの嫌だもん!!」

溜まりに溜まった不満をぶつけるが、佐助を前にすれば無意味な事など百も承知
そんなあたしに佐助は眉間に皺を寄せている

「駄々こねないの!!メッ!!」

「…何がメッ!!だよ!!ポッキーくらい勝手に食べてろ!!」

佐助の一言についついプチンときてツッコんでしまった
少し大人気ないかと思ったが、大人という程の歳でもない
しかし佐助は、あたしを幼稚園児か何かと間違えているのではないだろうか

「…仕方ないなあ、俺様も一緒に進んであげるよ」

やれやれと言いたげに大きな溜め息を吐く佐助に、こちらが溜め息をつきたくなる
更にさも良い案だというように笑顔を向けてくる

「いや、だから1人で食べてよ」

「はい行くよー…」

せーのと言われてしまえば、食べざるを得なくなってしまう
そのまま同時に少しずつ食べ進めるが、やはり近くなると動きは自然と止まってしまうわけで

「なーに止まってんの」

いつも通りおちゃらけて言う佐助は余裕綽々といった感じ
しかしあたしは最初よりもずっと顔が熱くなっている
だが進まなくては終わらないと…佐助と同時に食べ進めようとすれば、それは佐助の唇によって止められてしまった

「不意打ちってやつ?」

思考が追いつかないあたしに、してやったり…と言いたげな顔でニヤリと笑う佐助はやはり余裕綽々
あたしは先程よりもずっと真っ赤になった顔で照れ隠しに佐助を睨みつける事しか出来なかった





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佐助は不意打ちかなって

信用させといて
最後にちょっとやらかす的な
彼は基本余裕あります

メッ!!てずーっと
言ってみたかったんです



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