「早く食えよ」

「そ、そういう政宗こそ全然進んでないじゃん!!てゆうかちょっとも進んでなくない!?」

あたしはさっきから思っていた事をついに政宗にツッコむ
しかし政宗は悪びれた様子もなく溜め息までついている

「俺はchocolateはそんなに好きじゃねぇんだよ」

衝撃的な理由に唖然
あたしはついつい開けてしまった口もそのままに、瞬きすらも忘れ呆然と政宗を見つめた

「じゃあなんでポッキーゲームやろうなんて言ったの!?」

「Ah?いいだろ別に」

ピクリと政宗の眉が上にあがる
そのまま少しばかり睨まれれば、嫌でも政宗の機嫌が損なわれたのがわかってしまう

「よ、良くない…かなぁ…って…」

「いいから早く食えって」

眉間に皺を寄せ更に睨みを効かせた政宗に、これ以上の発言は危険だと判断する
そんな中でも、目が細められる事によってさらに政宗が格好良く見えるあたしの頭は末期だ
そんな考えをなんとか振り払い、熱くなる顔を我慢したまま食べ進めていく

「…なんで止まってんだよ」

「もうチョコの部分じゃなくなったもん…」

チョコが苦手だと言った政宗の為に頑張ったあたしは、近くなりすぎた距離に耐えられず俯く
直視なんてしようもんなら、心臓が破裂するんじゃないかって程うるさくてたまったもんじゃない

「まあ、しょうがねぇから許してやるか」

「なにが…ッ…!?」

唇に触れた温もりはリップ音とともに離れたが、あたしの心臓の音は離れても聞こえてしまいそうな程にうるさかった
そんなあたしを見てニヤリと笑う政宗は、やっぱり格好いいと思う

「ごちそうさん」





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政宗は意地悪するかなって

実際政宗はチョコ
苦手じゃないんだよきっと

でも赤くなりながら
食べてくのを楽しんで見てんの

鬼畜だなあもう…




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