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<美佳目線>
煉獄関でのやるせなさを実感しつつも、時間というものは無情にも過ぎていく。
相変わらずの銀時と、少しだけ精神的に強くなった神楽ちゃんと新八くんと…
そんな万事屋でお世話になる私と…
神楽「ねぇ、美佳姉?」
『ん〜?どうしたの?』
神楽「漢字教えてくれる?」
モジモジと恥ずかしそうに私に言いに来た神楽ちゃん。
見ると、手にした便箋の一番上には「パピーへ」の文字。
『神楽ちゃん、お父さんにお手紙書くの?』
神楽「そうアル!ずっと会ってないから、手紙くらいは…」
『そう。で、何の漢字が分からないの?』
神楽ちゃんは楽しそうに自分の近況や銀時のこと、新八くんのこと、そして私のことを手紙に書いてくれた。
なんだか、こうしていると妹が出来たようで少し嬉しい。
神楽「美佳姉は家族居ないアルか?」
『私〜?そうだね〜血の繋がった家族は居ないけど、バカ兄貴が4人居るよ。』
神楽「お兄ちゃん居るアルか!?どんな人?」
『ん〜1番上が長髪のクソマジメバカでしょ、2番目が頭もじゃもじゃの無神経バカでしょ、3番目が片目のぶっ壊しバカでしょ〜、4番目が銀髪のちゃらんぽらんバカ。」
神楽「銀髪のちゃらんぽらん?」
銀時「誰が銀髪のちゃらんぽらんだよ。」
『あれ、銀時お帰り。』
ちょうど帰って来た銀時の顔を見て神楽ちゃんは不思議そうな顔をする。
神楽「銀ちゃんがお兄ちゃんアルか?」
『フフフ、そうだね〜。バカ兄貴。』
銀時「バカじゃねぇだろ、かっこよくて頼りになる兄貴だろうが!!」
新八「どうしたんですか?そんなに大声出して。」
神楽「銀ちゃんが美佳姉の兄貴だって。」
新八「銀さんがお兄さん?どっちかっていうと、美佳さんの方がお姉さんな気が…」
『フフフ、よくそうやって言われてたよ。お父さんに。』
新八「お父さん?」
私を変態ジジィから助け出して、それからずっと養ってくれていた先生は私の中でいつの間にか本当の父親になっていた。
そして、私を守ってくれた銀時たちは私の大事な兄貴たちになった。
あの人たちは紛れもなく、私がずっと求め続けていた家族だった。
『フフフ、そう。お父さん。すっごい優しかったよ。』
銀時「お前にだけな。」
『銀時は悪ガキだったからでしょ?』
神楽「銀ちゃんの小さい時ってどんなだったアルか?」
『銀時の小さい頃はね…ん〜…あんま今と変わらないよ。
寝て、食べて、ケンカして。
成長してないね、銀時…』
銀時「うるせぇ!男はいつまでも少年のままなんだよ!」
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