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地球に戻って来てから数日。
攘夷戦争後の地球の変貌ぶりは、客からの噂で知ってはいた。
けれどやっぱり自分の目で見てみるとその変わりっぷりに驚くことばかりだ。
それでも、危険を冒して戻って来たこの場所。
もう何かを失うのは嫌だ…
沖田「あれ、姉さんじゃないですかイ。こんなところでボーっとしてどうしたんですかィ?」
川沿いの長椅子に座って、ボーっとしているとのんびりとした声が聞こえて来た。
その声の持ち主はゆっくりと近づいてくると、断りもなく私の横に座った。
『あれ、総悟くん。』
沖田「総悟でいいですぜ。」
『…何してんの。』
沖田「俺ぁ、非番でブラブラと…」
『非番でブラブラと…制服着て?』
沖田「仕事熱心でしょ。」
『トッシーには黙っといてあげるよ。』
茶髪の美少年こと真選組1番隊隊長、沖田総悟くん。
こんな可愛らしい顔をしていて、剣の腕は真選組一というから世の中どうなっているのか分からない。
そんな彼の勤務態度は至って不真面目。
市中見回りと称して、そこら辺でのんびり昼寝をしているのを何度か見ていた。
『ねぇ、沖田隊長?』
沖田「総悟でさぁ。」
『総一郎くん。』
沖田「総悟。」
『頑固だねぇ、君も。』
どうやら名前で呼ぶまで止めるつもりはないらしい…
『総悟くん。』
沖田「総悟。」
『はぁ…んで、総悟。』
沖田「よし。」
『仕事戻らないの?』
沖田「仕事中でさア。江戸の治安を守ってるんでさァ。」
そういう割に目にはアイマスクをして、椅子にだらしなく座っている。
『んじゃぁさぁ、デートしよ、デート。』
沖田「高ぇですぜ?俺とのデート代は。」
仕事をサボっているくせによく言う…最近の若い子ていうのは本当にもう!
『そんじゃ、お姉さんはもう帰りますよ。寝不足ですから。』
沖田「そんなに仕事が忙しいんで?」
『ん〜仕事もあるけど、銀時が…』
沖田「ふ〜ん、旦那が毎日激しいってか。」
なんでこう男って言うのは他の男の名前を出すと不機嫌になるんだろうか…
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