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鬼兵隊幹部たちと話し終えた後、高杉の部屋へと戻って来ていた。
高杉が布団に横になると、美佳もその横に入りこむ。
『晋ちゃんが皆に好かれてて安心したよ。』
高杉「好かれてて…」
『いやぁ、厨二病が酷すぎて引かれてないかと思って...おっと、怖い顔。』
高杉「お前は大丈夫なのか?銀時のところで。」
『うん。まぁ、なんとか。アイツちゃらんぽらんだから、働かなきゃだけど…』
高杉「お前の身体の事は?」
『一応、皆に話してあるよ。っていうか、皆の前でなっちゃってさ…隠しようがないっていうか…』
そうか…と高杉は小さく呟くと、美佳の頭を撫で目を閉じた。
久しぶりに見る高杉はやはり昔とはどこか違ってしまっているが、自分のことを心配してくれるところは相変わらずで、昔の事を少しばかり思い出した。
昔から美佳の事に口うるさかったのは銀時と高杉だった。
美佳が買い物に行くと言えば、必ず付いてくるし、女の子と遊びに行くと言っても誰とどこに行くのか、何時に帰って来るのか聞くような2人だった。
うるさいと感じながらも、心配してもらえることは嬉しくて、邪険にしながらも心配してくれる2人に甘えていた。
高杉たちと離れて、改めて彼らがどれだけ自分の事を心配してくれていたのか感じた美佳にとっては、例え、高杉がテロリストだろうがなんだろうが否定することはできなかった。
それなのに、美佳にとっては家族同然の高杉、銀時そして桂が刀を交えているのを見るのは心が締め付けられるようだった。
次に会う時は仲間もなにも関係ないと言った銀時と桂。
きっとあの二人の中では、仲間である高杉を止めるのは自分たちしか居ないと言う思いがあったんだろうし、美佳自身もしなにかあれば手を下すのは自分であると思っては居た。
しかし、実際にその場面を目の当たりにしてしまうと、どうしようもない悲しみが襲って来る。
高杉の元へ残ったのに特に意味はない。
ただ高杉をひとりにしてはおけなかった。
自分の隣で、昔の様に静かに眠る高杉の顔を見ながら、美佳はため息をついた。
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