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そして、あの別れから何年かたち、攘夷戦争も収束、天人が台頭する世が訪れ、攘夷志士と呼ばれた彼らも次第に数を減らしていった。
『本当、助かった〜お兄さん、ありがと』
「ちょうど地球に用があったからついでだよ。」
透き通るような白い肌の男にしなだれかかる彼女はあの頃とは比べ物にならないくらいの大人の女性へと変わっていた。
『お仕事か何か?あっ、それとも〜地球のカワイイ女の子をお食事に?』
「ハハハ…そうだねぇ、まぁ、ある意味お食事かな。」
『なんか意味深ねぇ。まぁ、皆それぞれ事情はありますし、深くは聞きませんよ。』
「こりゃぁ、随分と割り切った考えをお持ちのお嬢さんで。女ってのは元来、そういう話に首を突っ込みたがるもんだろう?」
『フフ、どこのおぼこと勘違いしてんですか。私みたいな商売をしている大人の女はいちいち首なんて突っ込みませんよ。』
そう言ってのけた彼女に、男はにっこりと笑い肩を抱く。
「へぇ〜。いいね。そういう子は嫌いじゃないよ。こっちにおいで。」
「おいおい、もうすぐ地球に着くぞ。」
「ん〜ちょっと時間がかかるから、着いたら先に行ってていいから。」
「おい!!」
すでに自分の言葉など耳に届かない大将に思わず深いため息をつく男だった。
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