─────---- - - - - - -
土方「今までどこに居た。そしてなぜ今、戻って来た。」
『あの〜十四郎くぅん、さっきのに突っ込むなりなんなりしてくれませんかね。』
土方「話を逸らすな。」
彼らが江戸と幕府を守る使命を背負ってる以上、トッシーが必死になるのも無理はない。
真剣な表情のトッシーに観念して、私も真剣に彼と向き合う。
『トッシー、私たちが攘夷戦争に参加したのはね、国を守るためとかそんな立派なものじゃない。
たった一人、大切な人を守る為に私も銀時も、晋助や小太郎も戦った。
たった一人のために…
自分たちの命を懸けても惜しくないあの人を守るために。
その為ならなんだってした。
だから、あの人を守るために、私は駒になった。
私が駒になって、あの人と私の大事なバカ兄貴たちを守れるなら、こんな身体要らないと思った。』
土方「…駒?」
『そう、駒。香車くらいにはなるだろうと思ったけど、結局ただの歩兵だったけど…』
私は...ただ大切なアイツらを守りたかった。
大好きな松陽先生と大好きなバカ兄貴たちを。
だから、私は行きたくもない所に自ら向かった。
でも、それも全て無駄だった。
松陽先生の死はそれからだいぶ経って、私から大事な家族を奪った張本人から聞いた。
そいつを殺してやろうと剣を取ったけれど、無力な私の力では何も出来なかった。
身体中血塗れになって、それでもアイツを倒せなくて...もう生きる意味なんて分からなかった。
大切な人を守れなかった。いつも私を導いてくれたあの人を。
傷ついているアイツらの側に居ることが出来なかった。アイツらはいつも私の側に居てくれたのに…
何度も死のうとした。
大好きな先生が居ない世界で生きていく意味なんて見えなかったから。
でも、その度に私は生き返った。
死ぬことすら許されない...涙を流しても頭を撫でてくれる人も居ない、逃げ出したくても逃げ出せない。
苦しみの中で生きていた私を救ったのは、やっぱりあのバカ兄貴たちだった。
← →
6/13
←contents
←main
←top