─────---- - - - - - -
沖田「姉さん、勝手に妄想に耽るの止めてくだせぇ。」
『ハハハ、ゴメンゴメン。』
沖田「じゃぁ、もう旦那の事はどうでもいいんで、姉さんの事教えてくだせぇ。」
よっぽど暇なのか、この税金泥棒は…
『私のこと〜?銀時の幼馴染。』
沖田「それはこの前聞きやした。でも、旦那のって事は桂や高杉とも?」
『そうだね〜。幼馴染。私ね、3人に剣術教えてもらったんだよ。
ちょっと凄くない?』
わざと話を逸らすように剣術の事なんか話してみたけど、総悟にその手は通用しないらしい。
沖田「今でも桂たちとは連絡を?」
『取れるわけないでしょ〜?どこに居るのかも分からないのに。』
沖田「ふ〜ん。」
信じた顔はしていない。
だからと言って、「はい、知ってます」なんて、いくらこの可愛らしい隊長さんが相手とはいえ、できるわけがない。
沖田「じゃぁ、姉さんは?」
『私?』
沖田「アンタは…何者ですかィ?」
まるで獲物を捕らえたような鋭い眼。
正直、男のこういう顔は嫌いではない。
『私は…』
土方「総悟〜仕事中に何やってんだ〜?」
急に総悟の後ろから現れた土方さん。
大層ご立腹なようで…
土方「勤務中に女と茶なんて、随分いいご身分じゃねぇか。」
沖田「土方さん、馬鹿にしてもらっちゃ困ります。これでも密偵してたんですぜ?」
土方「密偵?」
密偵とか言うくせに私の目の前で言ってるし…2人がコソコソ話して居る間に、店員さんに頼んで珈琲を持ってきてもらった。
『トッシー、座ったら?』
沖田「なんでぃ、姉さん、土方さんには随分フレンドリーじゃないですかい。」
『だって歳変わらないでしょ。』
土方「万事屋と同い年か?」
『そう。』
沖田「意外といってるんですねィ。」
カッチーン…コイツ…
沖田「あれ?姉さん、額に筋が…」
ちょうどトッシーが手にしていたマヨネーズを総悟のアイスティーの上にぶちまける。
『飲め。』
沖田「嫌でさァ。」
『飲めっつってんだろ!!』
沖田「土方さん、これ俺の飲みかけで良かったら…ぐえぇっっ!!」
そんなことさせるか。
机に乗り上げ、総悟の顔を掴み無理矢理に飲ませた。
土方「おい、そのくらいにしとけ。他のお客さんに迷惑だろうが。」
そんなトッシーはどこから取り出したのか、新たにマヨネーズを珈琲の上に盛り付けていた。
銀時のあんこをご飯の上に大量に乗せた銀時スペシャルもなかなかあれだけど…
『ねぇ、トッシー。そんなの飲んで太らないの?』
土方「俺が太ってるように見えるか?」
『いや、かなりのスタイルですけれども…』
土方「それよりさっきの話の続きだが…」
沖田「話聞いてたんですかぃ?そりゃねぇや土方さん。
プライバシーの侵害でさァ。とんでもねぇエロ話してたらどうするんですか!」
土方「いいからお前は黙ってろ!!」
随分と歳は離れているはずなのに、仲の良さそうな2人を見ているとなんだか楽しくなる。
← →
3/13
←contents
←main
←top