─────---- - - - - - -
銀時が普段使わない脳みそをフル活用しているのもつゆ知らず、美佳は風呂場から呑気な声を出す。
『銀時〜シャツかして〜。着る服がない!』
確かに、帰って来たとか言う割に住む場所も用意していなければ、持ってきていた服も商売用のような露出の激しい着物ばかりだった。
銀時「ったく、ほらよ。」
面倒くさそうに、洗濯して縮んでしまった自分の服を脱衣所に放り投げた。
『お風呂空いたよ〜。』
銀時「あぁ…お前、ズボンは?」
『だって、ズボンは大きくて落ちるんだもん。』
タオルで長い髪の毛を乾かしながら歩いて来た彼女は縮んでしまったとはいえ、まだ大きい銀時のシャツを着て、その細く長い足を惜しげもなく銀時に見せつけていた。
銀時「…彼シャツ万歳。」
『ん?何?』
もうグダグダ考えるのは止めよう。
そこに綺麗な脚と大きなおっぱいがあるならそれでいいじゃないか。
あんなに考え込んでいたのに、銀時の理性なんてそんなものである。
そして今度は色々な妄想と葛藤しながら風呂に入る。
先ほどの美佳の姿を思い出し、それが次第にエスカレートすると夕方の彼女の姿を思い出す。
当然、愚息はムクムクと起き上がる。
銀時「しゃぁねぇ、1発抜いとくか。」
男の見栄だが、やっぱり早いとか遅いとか小さいとか…そういうものは避けたい。
そして、美佳と離れて居た数年に成長していないとも思われたくない。
しかし、幸か不幸か相手は娼婦をしているだけあって、男には慣れているはず。
いや、と言うか慣れている。
つまりは…早いと『はやっ。』と思われ、遅いと『おそっ。』と思われ、小さいと『ちいさっ。』となるはずだ。
比べるものが沢山あるんだからな。
つーか…普通どんくらいなの?
早いって何?遅いって何?普通ってなんなの!?
美佳に聞いたら分かるのか?
「一般的にどんくらいなの?」って聞くのか?
いやいやいや…そんなこと聞けるわけがねぇ。
そう言えば、美佳は他の男とスる時どうなんだろうか。
他の男の前でも自分の時のように、言われるがまま、やられるがまま喘ぎまくるんだろうか…
他の男といたしている美佳を想像して興奮するなんて、自分の趣味も大概だと感じながらも、大きくなる自身を慰め続けた。
風呂を終え銀時が戻るとすでに美佳の姿はなく、テレビの音だけが小さく聞こえていた。
もう眠ってしまったのかと、仕方なくソファに座ると目の前の机にはコップ1杯のイチゴ牛乳。
冷たすぎず、風呂上がりにちょうどいい具合なイチゴ牛乳に美佳の思いやりを実感する。
なんとなく…それは不確かではあったけれど、幸せとかいうものを感じた気がした。
しばらくテレビを眺めた後、銀時も布団へと潜る。
布団はもう一つあるのに、美佳は銀時の布団で寝ていた。
銀時「変わらねぇなぁ、お前は。」
そう言って、銀時は眠っている彼女の髪を撫でた。
← →
3/14
←contents
←main
←top