─────---- - - - - - -
翌日も美佳は帰ることなく、高杉の側で1日のんびりと過ごしていた。
高杉も特に気にすることなく、美佳が側でうろちょろうろちょろしているのを放置していた。
また子「邪魔っす!!あの女!!
晋助様はお仕事なさってるというのに…」
河上「だったらまた子も側にいけばいいでござる。」
また子「私は、晋助様の気が散るようなことはしたくないんす!!」
河上「別に晋助は気にしてないでござるよ。」
部屋の中の様子を見てみると、確かに、高杉は興味津々に部屋を探索する美佳を気にするでもなく、何やら書類を眺めていた。
『ね〜晋ちゃん、手合わせしてよ、手合わせ。』
高杉「嫌だ。」
『ケチ。あっ…晋ちゃん、ここ間違ってるよ。』
高杉「…あぁそうだな。」
『フフ、テロリストがお金の勘定なんて変なの〜。』
テロリストと言えば、豪快にお金を使って、なくなったらどこかで強奪して…というイメージを持っていた美佳にしてみれば、高杉が難しい顔をして勘定帳とにらめっこしている高杉の姿は面白かった。
高杉も他の人間にそういう事を言われると癪に障るが、美佳が相手だとそうはならない。
それからも美佳は相変わらず、高杉の側で1日を過ごし、高杉に用事があるときはまた子にちょっかいを出したりして、一向に帰る気配を見せなかった。
また子「あんた…いい加減帰った方がいいんじゃないっすか?
白夜叉だって心配してるんじゃないっすか?」
『ん〜銀時は心配してないと思うよ。』
また子「…私だったら…私は晋助様が何日も居ないと心配っす。
だからきっと白夜叉やあの小娘だって…」
『優しいね〜また子ちゃんは。』
また子「ち、違うっす!!私はただアンタに早く居なくなって欲しいから…!!」
『フフ、そっか。でも、ありがとね、嘘でもそうやって言ってくれて。』
また子「…私はあんたらの関係がよく分からないっす。
晋助様は桂たちをいずれ戦わなければならない相手だと仰ったっす。
でも、アンタのことは心の臓だと言う…アンタは桂たちの味方なのに…」
『ん〜それはちょっと違うかな〜。』
少し寂し気に笑った美佳の顔は美しく、また子も思わず見とれてしまった。
『私は皆の味方よ。正義のヒロインなので〜す。』
そしてニヤっと笑う。
その顔はどことなく高杉にも銀時にも似ていた。
← →
2/9
←contents
←main
←top