─────---- - - - - - -
『でもさぁ、新八くん、探すって言ったって猫はちょろちょろ動いて回るでしょ?
どうすんの?』
新八「ご近所さんへの身辺調査、あとはしらみつぶしって感じですかね。」
『なかなか気の遠くなる作業だね…』
神楽「適当にやるアル。」
こうして猫探しに出かけた3人。
たかが猫探し、されど猫探し…万年金欠の万事屋には大事な仕事だ。
なかなか手がかりも見つけられず、1日目は終了した。
神楽「美佳姉、今日仕事は?」
『うん、あるよ〜。でも今日はキャバクラだから…』
新八「大丈夫なんですか?」
『大丈夫、大丈夫。昨日休みだったから、夜寝たし。』
昼間は猫探しを手伝い、夜は自分の仕事に向かう美佳の睡眠時間はだいぶ削られてしまった。
新八「銀さん、いい加減にしてくださいよ。いつまで美佳さんに無理させるつもりですか。
万事屋の仕事手伝って、その後自分の仕事に行って…寝る時間もろくに取れてないんですよ。」
銀時「…お前に分かるか、この歳で不能になった息子を持つ気持ちが。」
神楽「このままじゃ美佳姉倒れちゃうアル。」
銀時「はぁ…」
銀時が元に戻らないまま4日目。
その日も猫探しは続行されていた。
沖田はいつもの様に見回りにかこつけてひと眠りしようと公園にやってきていた。
沖田「あらら?」
平日の昼間は人通りの少ないその公園は沖田のお気に入りの場所だったが、今日はそこに先約が…
沖田「…姉さん?女がこんなとこで居眠りするもんじゃないですぜぃ。」
『悪いいたずらっ子が居るから?』
沖田「起きてたんですかぃ?」
『侍とはいつでも敵を迎える準備は出来てるものだよ、総悟くん。』
沖田「アンタは侍じゃなくてただのビッチでしょうが。」
『フフ…そうでした。』
沖田「…旦那のことですかぃ?」
『そ〜。も〜大変なんだからね?アイツ今まで以上に何もしないんだから。』
沖田「いつもの事じゃないですかぃ。」
『まぁいつもの事なんですけども…』
沖田「たまにはいいでしょ。あの人はいつでも姉さんをひとり占めできるんだから。」
『ん?なに??』
ぼそっと呟く沖田に美佳は聞き返すも、沖田は何も答えずアイマスクをしてしまった。
沖田「姉さんは何やってんでぃ。」
『銀時の代わりに猫探しよ。』
沖田「夜の仕事は?」
『別。おかげで寝不足で肌の調子が悪いったら…』
美佳がそう言うと沖田はアイマスクを上げ、彼女の顔をまじまじと見つめる。
沖田「いつも通り綺麗な顔でさぁ。」
『誰にそんなこと教わったの…』
沖田「近藤さんでさぁ。」
『どうりてクサイと思った。』
← →
10/12
←contents
←main
←top