─────---- - - - - - -
「にしてもいいもんですねィ。女のそういう姿はそそられますね。」
『あら、お兄さん、見かけによらずお盛んなのね。』
茶髪のバズーカ青年の陰に隠れながら、着物を正し、美佳はお得意の営業トークを続けていた。
「あそこのおっさん2人よりだいぶ若いんで、楽しませてあげられますぜ?一晩中な…」
『あらあら💗頼もしいわぁ。』
「どうですかィ?このまま…」
土方「このままじゃねぇよ!仕事中だろうがてめぇは!
それと万事屋!俺の上でメソメソ泣くな!」
銀時「だってひどいと思わないか、多串くん。
これからイイコトしようと思ってたのにさ、他の男にほいほいされてさ…」
土方「そらお前、お前の見る目がなかったんだろ。あんな商売女相手じゃこうなるのも当たり前じゃねぇか。」
銀時「昔はもう少しだけまともだったのになぁ…」
「なんでぃ、昔からの知り合いなんですかィ?」
『うん、寺子屋時代からのね〜。ところで銀時、この2人はお知り合い?』
とりあえず、こんなところで話すのもなんだからと近くの甘味処に入った4人。
『コーヒー3つとクリームあんみつ、あんこ増しで。』
いまだ自分の隣でいじけている銀時の代わりに注文を告げる。
その自然な仕草がこの2人の仲が深い事を想像させた。
『んで、どなた?銀時のお友達?』
銀時「こんな奴ら知らねぇ。」
『あっそ。で、土方さんと…』
銀時「総一郎くん。」
『教えてくれるんだね…』
イジけながらも、ちゃんと返事はする銀時に美佳は苦笑いを浮かべる。
「総悟でさぁ、旦那ぁ。一体いつまでいじけてるんですかィ?ったく、いい歳した大人が情けない。俺ぁ、沖田総悟と言うもんでさぁ。」
『総悟くんか。いい名前。こちらのイイオトコは土方…』
銀時「マヨ四郎。」
『マヨ四郎?珍しい名前だね。』
沖田「違いますぜ、旦那。ヤニ四郎でさぁ。」
土方「誰がヤニ四郎だ!!十四郎だ。土方十四郎。んで、そういうアンタは何者だ。」
『そうでした、銀時のどう…』
銀時「その挨拶やめろ!!」
『銀時のチェ…』
銀時「銀時を絡めるのやめろ!」
『…もううるさいな、銀時は。
えっと、初めまして。昨日から万事屋でお世話になってます朝日奈美佳と申します。
どうぞ、よしなに。』
そう言って美佳が微笑めば土方も沖田も照れくさそうにする。
『それでお2人は何のお仕事を?この廃刀令のご時世に刀ぶら下げて歩くなんて…』
土方「あぁ、一応警官だからな。
にしても万事屋、万年金欠のお前がもう一人抱え込んで大丈夫なのか?
あんたも、こいつのところに居たんじゃくいっぱぐれるぜ?」
『あ〜大丈夫。ちゃんと働くから。』
沖田「泣かせますねぇ。甲斐性のない旦那に代わって稼いでくるたぁ。」
銀時「いい嫁だろ?」
『嫁じゃねぇよ。』
銀時「またそんな事言って!!お母さん、そんな口の利き方する子に育てた覚えはありません!!」
『銀時に育てられた覚えもありません。』
銀時「はぁ、もうあなたからも言ってやってちょうだい!女の子なのにこんなはしたない恰好して、はしたない言葉遣いして!!」
沖田「いいじゃねぇか、母さん。父さんは好きだぞ。この恰好。躾がなってないメス豚には持って来いだ。」
土方「おい、美佳とか言ったな。総悟にゃ近づかねぇ方が身のためだぞ。」
『あら、総悟くんはSMプレイがお好みなの?でも、私もSだから成り立つかしら…』
沖田「へぇ、あんたもSなんですかィ…じゃぁ、どっちが先に鳴くか勝負と行きましょうや。」
『あら、やる気ね、総悟くん。でも、お姉さんも負けないわよ。だって〜いい男は鳴かせてなんぼじゃない?』
そんな2人の会話に土方はまたSが増えたと震え、銀時は一体いつになったら自分の愚息を満足させることが出来るのだろうと項垂れた。
《終》
← →
8/8
←contents
←main
←top