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神楽もそうやって銀時の内に秘める優しさや、強さに惹かれたひとりだった。
それが今は美佳という存在も増えた。
銀時と10年以上離れていたというのに、彼女は銀時が望むことがすぐに分かる。
そしてそれ以上に周りが羨むほどに信頼し合っている。
本当にさっさとくっつけばいいのにと思う反面、美佳の奔放さに手を焼く銀時を見ているのは面白いのであまり無理強いはしない。
神楽「なんでキュンキュンしたいって話から、子どもの教育方針の話になるアルか。
それにお前ら子ども居ねぇだろ。」
『子供?確かに私の実の娘ではないけど、居るよ。ここに。
まだまだ手のかかる子供が。ねぇ、銀時。』
銀時「俺も作った覚えもないし、雇った覚えもないけど面倒みなきゃいけねぇガキがひとりうちに寄生してるからな。」
文句ばっかり言うくせに、決して自分を追い出そうとはしない銀時と美佳。
美佳風に言うならば、「兄と姉」の居る生活に神楽は今までに感じた事のない心地よさを感じる。
神楽「何言ってるネ。銀ちゃんはちゃらんぽらんだし、美佳姉もフラフラしてるから、私が世話してやらないといけないネ。
私の青春返せアル。」
銀時「なんだと!んじゃぁ、出て行けばいいだろうが!」
神楽「嫌アル。ずっと寄生し続けてただ飯にあやかるネ。」
銀時「お前今世話してやらないととか言ってたろ。」
神楽「それはそれ、これはこれアル。」
都合のいいやつだと困った顔を見せる割には、本心から出ていけとは言わない銀時。
そんな銀時の姿は美佳も見ていて嬉しくなる。
『さてと、今日のご飯はどうしようか。』
神楽「銀ちゃん、今日はどっか食べに行こうよ〜。
美佳姉居るからいいでしょ?」
『何その、私が居るからって。私の財布に集るつもりか!!』
神楽「バレちゃったアル!!」
『も〜ほら、ご飯食べに行くよ。お登勢さんも呼んで、たまにはババァ孝行でもしようか。』
銀時「げっ、ババァはいらねぇだろ!」
お登勢「ババァはいらねぇとはどういう了見だい、銀時。
あんた美佳が来てからちったぁマシになるかと思いきや、結局働くのはこの子だけ。
本当に情けないねぇ。」
ちょうどそこに現れたお登勢はすかさずツッコミを入れる。
銀時「うるせぇよ。母親気取りか、クソババァ!」
お登勢「なんだって!!ババァを大事にしないなら、家賃上げるからね!」
銀時「なっ…!!う、うそじゃ〜ん。ね〜ババァ〜。」
お登勢「ったく、美佳、あんたももうこんなちゃらんぽらん捨てて、早くイイオトコ見つけな。あんただってそんなに若くないんだ。」
『若くないってお登勢さん酷い〜!!』
お登勢「本当のことじゃないかい。」
キャサリン「お登勢さ〜ん、こんな奴ら放って置いて早く焼肉行きましょうよ〜。」
お登勢「なんで勝手に焼肉行くことになってんだい。」
キャサリン「えっ、だってご飯食べに行くって…」
神楽「奢ってくれるアルか!!」
銀時「ババァ〜!!いいとこあんじゃねぇか!!」
珍しく食事に連れて行ってくれるというお登勢に銀時や神楽も踊り始めた。
『お登勢さん、神楽ちゃんお腹空いてるから食べ放題の方がいいですよ。』
お登勢「分かってるよ。あの子の胃袋に掛かったら、即破産しちゃうからね。」
神楽「何をコソコソ喋ってるアルか??」
『ん?なんでもないよ〜。ほら、出かけるから準備して〜!』
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