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銀時「ほら、直ったよ。」
『小栗旬之助!!』
銀時「はいはい。」
仕事の都合上いつもは見れない月9の再放送を美佳は楽しそうに見る。
銀時にとっては見るのも嫌になる甘ったるい恋愛ものだ。
『…キュンキュンしたい。』
銀時「は?パンパンした…ぐはっ!!」
神楽「パンパン?」
『銀時をサウンドバックにして遊ぶことだよ。』
神楽「マジか!それ面白そうアル!!私もやりたいアル!!私もパンパンしたいアル!!」
『ほら、子どもが変な事覚えたじゃん。』
銀時「半分お前のせいだろうが!」
『そんな事よりキュンキュンしたい〜〜〜〜!!』
神楽「美佳姉はたまに子どもみたいな事言うアルな。」
『ろくに恋愛してこなかったからね〜。』
銀時「お前…」
神楽「美佳姉…」
『あぁ、違うよ!!バカ兄貴たちが異様に厳しかっただけ!!』
銀時「は?いつ俺たちが…」
『私の門限何時でしたっけ?』
銀時「4時。」
神楽「朝の?」
銀時「夕方の。」
『私が恋文貰った時は?』
銀時「高杉が燃やしたな。」
『私が門限過ぎても帰って来なかった時は?』
銀時「ヅラが発狂して、俺と高杉で相手の男を半殺ししたな。」
神楽「…最悪アル。」
『でしょ?過保護なんだよ、こいつら。』
銀時「お前、年頃の女の子は過保護ぐらいがちょうどいいんだよ。
そうじゃないとお前みたいなビッチに仕上がるからな!!」
『ビッチに仕上がってんじゃん。』
銀時「…どこで間違ったのかねぇ。」
『厳しすぎるとダメなんだよ。その反動で悪さしたくなる。』
銀時「でも、放ったらかしにしといたらガキどもはどんどん調子に乗るだろ?」
『だから、周りの大人は常に気を使ってやるべきなんじゃないの?』
さながら子育て方針を議論する夫婦のような2人に神楽の頬は緩む。
銀時と美佳は似ている。
ちゃらんぽらんな銀時と、見た目に反して真面目な美佳は一見正反対のように見える。
けれど、彼らと共に過ごしていると、彼らの芯の部分はそっくりな事に気が付く。
何よりも仲間想いで、大切なものを護るためなら自分を犠牲にすることも厭わない。
そしてその時の彼らは鬼の様に強い。
普段は適当でそれをごまかす彼らだが、その瞬間の彼らの姿は見るものを惹きつける。
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