─────---- - - - - - -
そのうち新八も帰って来て、赤ん坊はミルクを呑むとやっと落ち着いた。
赤ん坊がミルクを呑む姿に奴らは楽しそうに笑う。
ふと美佳の方に目をやると、いつの間にか居なくなっていた。
きっとあのバカのことだくだらねぇこと考えて、出て行ったに違いない。
慌てて赤ん坊をぶんどって、美佳を探しに外へ出た。
しばらく街を歩くと、ドS王子が惰眠を貪り食っていた。
ったくこの税金泥棒が!
沖田「旦那も隅に置けませんねぃ。」
銀時「沖田くぅ〜ん、旦那こっち。お前それわざとやってるだろ。」
コイツ…絶対面白がってる。
銀時「時に沖田くん。うちの美佳ちゃん知らない?」
沖田「姉さんなら今朝がたまで俺の下で鳴いてたんですがねぇ。」
銀時「んなことは誰も聞いてない。」
沖田「もう姉さんってば、あんな大胆に…」
銀時「うるせぇぇっっ!!」
ったくどいつもこいつも…
その頃の美佳は…
『晋ちゃ〜ん。』
高杉「またなんかあったのか。」
『う〜ん。晋ちゃん今何してんの?』
高杉「ケンカ。」
『え〜ケンカすんなよ〜。』
高杉「チッ…万斉!後は任せたぞ。」
『えっ、任せていいの?』
高杉「あぁ、アイツが居ればなんとかなる。」
『大変だね、晋助も。』
高杉「いつものことだ。それで、どうした?」
『あのね…銀時が赤ちゃんと一緒に居た。銀時とそっくりなの。』
高杉「それで、ふて腐れて家出して俺に電話してきたのか?」
『だって…』
高杉「別に俺たちだってもういい歳なんだから、ガキの一人や二人居てもおかしくねぇだろ。」
『そうだけど…だって銀時何にも言わなかったし…』
高杉「髪の色は?」
『銀髪の天然パーマ。』
高杉「じゃぁ、目の色は?」
『目?黒かったけど…』
高杉「じゃぁ、銀時のガキじゃねぇな。アイツの瞳の色は赤いだろう。」
『でも、それはお母さんの方に似たのかもしれないじゃん。』
高杉「アイツの瞳はそんな簡単になくならねぇよ。
それに…アイツはてめぇ以外の女と子供なんて作るはずがねぇ。」
『…そんなの分かんないでしょ。』
高杉「俺には分かる。癪だが俺も同じだからな。」
『…晋ちゃんもいい加減結婚したら?』
高杉「しねぇよ。興味ねぇ。」
『もったいない。まぁでも、父親してる晋ちゃんなんて想像つかないけど。』
高杉「クク…確かにな。てめぇもくだらねぇこと心配してんじゃねぇよ。
あのバカがどこぞでガキこさえて所帯持つっつーんなら、めでたいことじゃねぇか。
そういうのも全部覚悟の上でお前は向こうに行ったはずだろ。
まぁ、十中八九てめぇの思い過ごしだろうがな。」
『思い過ごしじゃなかったら?』
高杉「くだらねぇこと心配してんじゃねぇよ。てめぇの居場所ならいくらでも作ってやる。」
『いや〜ん、晋ちゃん、男前〜!!』
高杉「ばかにしてんのか。」
『フフフ、してないよ。ありがとね、晋助。
やっぱり晋助の声聞くと、落ち着く。』
高杉「そうかい…」
高杉と話をしたことで少しばかり落ち着きを取り戻していた。
← →
7/11
←contents
←main
←top