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美佳の話を聞いて以来、真選組の連中は何か思う事があるのか、しょっちゅう美佳の様子を見に来るようになっていた。
いい加減鬱陶しいんだけど…
銀時「で、今日は何しに?マヨ方くん。」
土方「市中見回りだ。」
銀時「へぇ〜それはご苦労なこって。じゃ、お巡りさんはお仕事頑張って。」
土方「なんだ、この家は客人に茶も出せねぇのか。」
銀時「朝の5時にに人ん家にやってきといて、何が客人だ!!
呼んでねぇんだよ!!招かれざる客だよ!!」
神楽「銀ちゃん!うるさいネ!!」
銀時「ほら!怪力娘が起きちまうだろうが!!」
土方「茶。」
追っ払っても土方は一向に出て行こうとしない。
つか、朝の5時だよ?
非常識にもほどがあるだろ!!
銀時「だーかーらー!!出さないっつってんだろ!!」
土方「灰皿。」
銀時「ねぇよ、んなもん。我が家は誰も吸わないからな!」
土方「美佳は吸うじゃねぇか。」
銀時「普段は吸わねぇよ。気分が落ち着かない時だけだ。」
土方「…じゃぁ、美佳は?」
銀時「まだ仕事だ。」
土方「続けさせるのか?仕事。」
銀時「それは俺の決めることじゃねぇよ。
それに多分…あぁいう仕事してれば自分を探してるって情報も手に入りやすいと踏んでのことだ。」
そこまで言うと土方はタバコを吸ってため息をついた。
本当なら、美佳を真選組に預けて保護してもらった方が安全なのかもしれない。
しかし、幕府が一枚かんでいるとなればコイツらもそう簡単に保護に踏み切ることは出来ないんだろう。
銀時「ところで土方くぅ〜ん。なんでそんなにアイツのこと気にするわけ?」
土方「江戸の平和を護るのが俺たちの役目だ。」
銀時「いや、ピンポイントすぎんだろ!!何の目的だ!!」
土方「…近藤さんと総悟がうるせぇんだよ。
万事屋周辺の警備の強化、美佳の安全確認怠る者は士道不覚悟で切腹。」
銀時「どんだけ組織を私物化してんだよ。んなことやってたら余計怪しいだろうが。
今すぐやめろ。迷惑だ。」
美佳はどこに行っても人に好かれるやつだ。
それは一つ芯が通っているから。そしてアイツの笑顔に皆惹きつけられるんだ。
『あれ、トッシー。やっほー。』
土方「呑気なもんだな。真選組が…」
『あぁ、あれ。さっき叱りつけて帰らせたよ。邪魔だから。』
土方「えっ?あれは近藤さんがお前を心配して。」
『大丈夫、大丈夫。ゴリラにも電話して怒っといたから。
気持ちは有難いけど、トッシーたちだって仕事あるでしょ。
それに私に何かあったら、銀時が居るから大丈夫〜!』
銀時「あのな、俺を当てにするのやめてくんない?俺だって万事屋忙しいの!」
『もう3日も依頼ないくせに。』
銀時「うっせぇ!これからかかってくんだよ。じゃんじゃんと!!」
俺を見て土方と一緒に笑う美佳を見ると、全部嘘だったんじゃないかと錯覚しそうになる。
でも、半分それでいいんじゃないかと思う。
過去を思い出して辛い思いをさせるよりは、バカやって今を生きる方がいい。
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