─────---- - - - - - -
―――…
服部「まぁ、あとはお前さんたちの方がよく知ってるだろ。」
『全ちゃん、なんでそんなに私のこと知ってんの?ストーカー?』
服部「バカ!!ちげぇよ!!俺はだなぁ…!!」
『フフ…知ってるよ。全ちゃんがずっと陰で私を助けてくれてたことも。
ありがとう。』
改めて礼を言われると照れくさい。
服部は恥ずかしそうに口を瞑んだ。
『とまぁ、こんな感じですよ。
気が付いてる人がほとんどだと思うけど、私の中に居るエイリアンは今も消えていない。
この力を増強させるために埋め込まれた装置もそのまま。
その装置のお陰で若い頃より遥かに発情の頻度は高くなってる。
まぁ、その発情さえなければ普通に生活できるんだけど。
問題は敵もまだ私を探しているであろうこと…』
近藤「しかし、それはいわば人身売買のようなものでしょう?
幕府に保護要請を出せば保護をしてもらえるはずだ。」
『人身売買の獲物が居なくなったことで..』
桂「お前はこんな目に遭ったコイツにまだ幕府を信用しろと言うのか。」
美佳の言葉を遮り先ほどまでの表情と打って変わって鬼のような表情で怒鳴りつける桂に一同は不安気な表情を見せた。
『こっわっ!!』
桂「俺はお前にこんな事を強い、こんな苦しみを与えた幕府を許すつもりはない。
そんな幕府に付き従う連中もだ。」
『ほら〜そんな顔しないの〜。折角の綺麗な顔が台無し〜!!』
桂「お前はなぜ無理して笑う!
そんな身体にされてまで、なぜ!!」
『…だって…悪いのは近藤さん達じゃないじゃない。
きっとあの時にこの人たちがいたら、全力で護ってくれたと思うよ。
それに、私がこんなことになったのも半分は自分の責任じゃない。
誰のせいでもない…私が愚かだっただけ。』
美佳の言葉を聞いた近藤は地面に頭をこすりつけ彼女に詫びを入れた。
近藤「美佳さん!!すまなんだ!!
俺ごときが謝ってもどうしようもないことも分かっている。
でも…幕府の人間として、今の俺にできる事はこれくらいしか…」
『何泣いてんですか、近藤さん。
あなたが泣く事じゃないでしょ?それに、男が簡単に頭を下げるもんじゃないですよ。』
近藤「いや、これだけは…」
『謝らないでください。悪いのはあなたじゃない。』
桂「…謝らせておけばいいだろうが!!
こいつらは今の今までそんなことも知らずに、のうのうと生きておったのだぞ。
ひとりの女子が国の為に…たった一人でこんなに傷ついて…なんでお前が…っっ」
『あっ…やばっ…』
何かに感づいた美佳は桂の手を引き、隣の和室に入り戸を閉めてしまった。
その瞬間、隣の和室からは桂のすすり泣く声と、何度も何度も美佳に謝る声が聞こえた。
銀時「ったくしょうがねぇなぁ…」
そして銀時も困った顔をして和室の中へと入って行った。
← →
17/19
←contents
←main
←top