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『フフ…寺子屋の時みたいだね。』
桂「よく松陽先生に見つかって笑われたな。」
『小太郎はいっつも銀時に顔蹴られてた。』
桂「あれは臭かった…」
銀時「薔薇の香りだろうが!!」
『なんでだろうね、皆同い年で、晋助も小太郎もいい匂いするのに、銀時は…おっさんくさいの。』
銀時「えっ、うそ!?嘘だよね!?俺、まだ10代なんですけど!?」
晋助「お前、本当は三十路すぎなんじゃねぇか。
白髪だし。」
銀時「白髪じゃねぇ!!銀髪だ!!」
『銀ちゃんの銀髪と紅い目は好きだな〜。』
銀時「昔からそればっかだな。」
『だってカッコイイじゃん。顔は晋ちゃんとコタのがいいけどね〜。』
銀時「そればっかだな…」
坂本「おぉ!?なんじゃぁ〜仲良しじゃのぉ。ワシも仲間に入れてぇ〜!」
最期の夜は子供の時のように、皆で身体を寄せ合ってくだらない話をして過ごした。
ずっとこの時間が続けばいいのに…誰しもがそう思った。
しかし、無情にも時間は過ぎる。
そして翌朝。
美佳が目を覚ますと銀時と高杉の姿がなかった。
別れの挨拶をしたいと思ったが、仕方ない。
着替えを済ませ、時間までいつもと同じように過ごした。
そして、時間になり外へ出ると桂と坂本は相変わらず心配そうに声を掛けてくれた。
『何言ってんの。ご指名いただいたんだから、ご指名。』
精いっぱいの笑顔で美佳は答えた。
互いの顔を忘れないように、しっかりと見つめる。
『死ぬんじゃねぇぞ、バカ共。』
美佳が呟いたその言葉は風にのって彼らの耳に届いた。
「「「「生きろ、美佳。生き抜け。」」」」
其々に心の中で美佳にそう声を掛けた。
自分たちを護るために自身を犠牲にしようとする彼女に、恥じない生き方をしよう。
彼女を助け出すために、自分たちもしっかりと生き抜こう。
その決意を新たに、彼らも戦場へと向かった。
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