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『ねぇ、晋ちゃん。私、着替え持って来てないんだけど…』
高杉「布巻いて行きゃいいだろ。」
『いいの?私の裸他の男に見られても?』
高杉「…じゃぁ、俺の着物…」
『晋ちゃんの裸を覗きにどこぞの熟女が入りこんでいるかもしれない!!』
高杉「別にいいだろ、男の裸くれぇ。」
『ダメ〜。晋ちゃんの身体は私のモノ〜だから〜浮気すんなよ?…なんちゃって。』
高杉「結婚しろっつったり、浮気すんなっつったり、どっちだてめぇは。」
『複雑な乙女心?』
高杉「随分と股の緩い乙女だなぁ。」
『もううるさいな!!』
高杉「なぁ、美佳。俺が全部終わらせてやるよ。
こんな世界、お前を苦しめるこんな世界終わらせてやる。
全部終わらせて、てめぇを迎えに行ってやる。
そしたら、俺のもんになれ。」
美佳の綺麗な髪を撫でながら、高杉はゆっくりと呟く。
美佳は返事をせず、ただ嬉しそうに笑った。
桂「美佳、替えの着物置いておくぞ。」
『コタ?』
桂「なんだ?」
『一緒に入る?』
桂「入るか!!」
『お母さん、怒ってるねぇ、晋ちゃん。』
高杉「クソババァは怒ってんじゃなくて、泣いてんだよ。」
桂「泣いてなどおらぬわ!!」
『コタ〜!!』
桂「なんだ!お前たちはそんなところでイチャイチャしてないでさっさと出て来い!!」
『小太郎、3人の事よろしくね。こいつらになんかあったら、許さないんだから。』
桂「…あぁ、心配するな。」
『小太郎も…』
桂「誰に言っているのだ。」
『うん…そうだよね。』
桂「お前は自分の心配をしていろ。俺たちがお前を助け出すまで、生き抜け。」
『誰に言ってんのよ。私がそんなに弱いわけないでしょ。』
桂「ふっ…そうだったな。」
『でもね、コタ。コタはこのバカともう一人のバカの尻拭いしなきゃいけないけど、でも、頼れるとこはバカ2人と黒いもじゃもじゃに頼っていいんだからね。
小太郎が辛い時はバカ共が肩貸してくれるんだから。』
高杉「クク…どっちが母親だか分かったもんじゃねぇな。」
桂「……」
『コタ??』
高杉「ヅラ〜??」
返事がない桂に美佳は風呂から上がると脱衣場へと向かった。
見ると、桂は籠の前でうずくまって肩を震わせていた。
『ゴメンネ、コタ。心配ばっかりかけて…ゴメンね。
でも、大丈夫だから。私は自分の護りたいものを護りに行くだけ。
ちょっとやそっとの事で負けたりしないんだから。』
うずくまる桂を美佳が後ろから抱きしめると、桂は美佳の手を握って涙を流した。
護りたかった。
こんな決断を彼女にさせたくはなかった。
自分たちの側に居れば必ず安全とも、必ず幸せとも限らない。
それでも、彼女に側に居て欲しかった。
少なくとも自分たちの側に居れば寂しい思いはさせないから…
高杉「お前は着物を着ろ。」
『だって、小太郎が泣くから…』
高杉「ったく、ヅラぁ、いつまで泣いてんだ、てめぇは。
昔っから泣き虫だな。」
『チューしてあげようか?』
高杉「お前はなんでもそれで解決しようとするのを止めろ。」
泣き続ける桂を心配して2人はバカをやって、そのうち銀時たちが来て…結局いつものようにバカ騒ぎになった。
でもこれでいい。
湿っぽいのは寂しくなるから…
美佳の前では必死に堪える涙が溢れ出してしまうから....
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