─────---- - - - - - -
子どものように泣きじゃくる美佳はそのうち寒さでくしゃみをし始め、銀時たちは慌てて彼女を風呂場へと連れて行った。
高杉「てめぇが水なんかぶっかけるからだぞ、銀時!!
コイツが風邪でも引いたらどうすんだ!!」
銀時「しょうがねぇだろ!そういうてめぇはおもいっきし拳で殴ってたじゃねぇか!
顔に傷が残ったらどうすんだ!!」
『ねぇ、どこまで付いてくるの。もうお風呂着いたけど…』
桂「うむ…久しぶりに皆で入るか!」
高杉「皆でって..」
銀時「さっ、美佳ちゃんお洋服脱ぎましょうね〜。」
『はぁ?』
銀時「でた、マジ拒否!!」
桂「別に変な意味はないぞ!?こんな時だからこそだな..!!」
高杉「坂本、鼻血拭け。んで鼻血出すんだよ、まだ一緒に入った訳でもねぇのに。」
坂本「アハハハ!さっきチョコレート食べすぎたかいのぉ。」
『はぁ....』
「「「「ヤバイ....」」」」
『10分待って。先に体洗うから。』
こうして無事に一緒に入る事を許され、決して広くはない風呂に5人ぎゅうぎゅうになって入る。
銀時「ずりぃぞ、高杉!!」
高杉「背の順って言ったの誰だよ。」
坂本「金時〜そんな引っ付くな、変な気持ちになるき。」
銀時「誰か〜!!場所変わって〜〜!!」
そんな口喧嘩をしながら、美佳は起こった事を彼らに報告し、彼らは黙って美佳の話を聞いた。
『ごめんね、酷いこと言って....』
高杉「よく頑張ったな。」
高杉に頭を撫でられると美佳は体の向きを変え、頭を高杉に預ける。
坂本「ズルいぞ、高杉〜!」
銀時「ちーび、ちーび!」
高杉「おい、ヅラ。それ俺の足。」
桂「どうりて硬いと思った...」
高杉「だから、撫でくりまわすのやめろ!!」
桂「よいではないか、少しくらい。」
銀時「おぃ、ヅラ、高杉。俺たちはそういうのに偏見はないからな。
安心して自分たちの愛を深めていってくれ。
そして、美佳を今すぐこっちに渡しなさい。今すぐ!!」
自分を励まそうとわざとバカをやってくれている彼らに美佳の気持ちも少しだけ和らいだ。
『辰馬…止めてくれてありがとう。』
坂本「おう。」
高杉「美佳、眠たいのか?」
うとうととする美佳を自分の胸に抱き、高杉は後ろの桂へ、桂は銀時に、銀時は坂本に頭を預けた。
坂本「なんじゃぁ、今日は皆甘えん坊さんじゃのぅ。
…今日くらい歯食いしばらんと、泣いたらよか。
幸いここは風呂じゃ、全部水が流してくれるき。
大丈夫じゃ、明けない夜はない言うじゃろ。
きっとすぐにお天道さんが顔出してくれるき。」
その夜、男たちのすすり泣く声が風呂場には響き渡った。
≪終≫
← →
16/16
←contents
←main
←top