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坂本「おまんがワシらのことを必要とせんでも構わん。
でも、ワシらは違う。ワシらにはおまんが必要じゃ。」
『…なんで邪魔するの…行かせてよ…お願い…辰馬…お願いだから…邪魔しないでよ。
お願いだから…あの人の側に居させてよ。』
坂本「いかん。あそこに行きゃおまんは死ぬ。」
『死んでもいい。あの人の側で死ねるんならそれでもいい。』
坂本「おまんはコイツらが今まで命懸けておまんを護って来たのを無駄にするがか?
コイツらだけじゃない。おまんが言うちょることは、仲間護って死んでいったやつらのことも愚弄しちょんのが分からんがか?」
『どうでもいい。私には関係ない。』
坂本「ほうか。金時、ヅラ、高杉、どうやらワシらは護る奴を間違ったらしいのぅ。
この女がそんなバカとは思わんかったき。
自分の価値も分かろうとせず、人のいう事も聞きもせず…無駄やったのぅ。
おまんにはあの人の言葉も聞こえんかったがか。
なんであの人があぁしてまでおまんを護ったかおまんには分からんがか。」
『何も知らないくせに..私の気持ちなんか分からないくせに..好きでもない男に大切な人の前で輪される私の気持ちなんて分かるわけないでしょ!!
あの人を護れないなら、生きている意味なんてない!!
もう嫌なの..もう辛いの..死に場所くらい自分で決めさせてよ..』
坂本「そうじゃ。ワシはなんも知らん。
ワシは男じゃ。それにガタイもデカい。
ワシにそんなことが出来るのは、よっぽどガタイのいい男色家だけじゃ。
おまんの気持ちなんぞ分かる訳もない。
それに、ワシがおまんらに知り合ったのも最近じゃ。
あの人がどんな人かも知らん。
でも、おまんらの事ならよー知っちゅう。
コイツらがおまんのことをどんだけ大切にしとるかも知っちゅう。
ワシはおまんらが仲良う楽しそうにしちゅうのを見るのが好きじゃ。
そんな仲間にワシを入れてくれたんも感謝しちゅう。
コイツらから大切なもん奪わんといてくれ。
ワシから大切なもん奪わんといてくれ。
おまんが死んだら、ワシらはどうしたらええんじゃ。」
『…それでも私は先生の側に居たい。』
しゃがみ込み涙を流す美佳の腕を銀時はひっぱり裏の井戸に連れていくと美佳の頭から水を被せた。
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