─────---- - - - - - -
美佳も坂本も怪我を負い劣勢になったその時、松陽は敵がこれ以上美佳と坂本に近づけないように壁を崩し自分との間に瓦礫で壁を作った。
『松陽先生!!』
松陽「私は抵抗しません。どこへでも連れて行ってください。
でも、これ以上彼らに手を出すことは私が許しません。」
『何言って…ダメ!!先生!!』
松陽「辰馬さんと言いましたか…すいませんが、私の娘のことお願いしてもいいですか?
バカ兄貴たちの元へ連れて行ってやってはくれませんか。」
『先生も一緒に行くんでしょ!?夕ご飯作ってくれるって言ったじゃない!
もう…もう私をひとりにしないって…先生言ったじゃない!!
なんで…なんで私をまたひとりにするの!!
私、先生の為に…』
松陽「美佳、生きてください。銀時たちとともに生き抜いてください。
生きていくのは辛いかもしれない、嫌な事ばかりかもしれない。
それでも私はあなたに生きていて欲しい。
あなたたちが居たから…私も生きて来れたから。
大丈夫です、あなたたちが立派な大人になるまで見守るのが私の仕事だと言ったでしょう?
あなたたちが生きている限り、私は死にません。」
松陽「それに、あなたはひとりじゃありませんよ。
銀時も小太郎も、晋助も…あなたの側にいるではないですか。
私の身体は遠くにあろうとも、私の魂は常にあなたたちの側に居ます。
美佳…頼りない父ですみません。
でも…父親というのは愛しい我が子の為ならいくらでもバカになるんです。
だからお願いです。あなたを護らせてください。」
『そんなの要らない!!私は先生の側に居る!
おい、そこのバカ共!!そんなおっさん連れてってもなんも楽しくねぇだろ!
女の私を連れてった方が楽しめるんだろ?
だったら私を連れて行け!何されても逃げないから…だからその人を…』
松陽「美佳!!もう自分の身体を犠牲にするのはやめなさい!!
お願いです…愛しい娘の心が壊れるのはもう我慢できないのです。」
『…私はそんなに弱くない!!だから!!お願いです…先生の側に居させて…お願い…先生…お願い…』
松陽「辰馬さん!!早く美佳を外へ!じきにここも崩壊します!
美佳を頼みますよ!!」
坂本「美佳、早う!!逃げるぜよ!!美佳!!」
『離して!辰馬…!!離せっつってんだろ!!離せ!!』
坂本「おまんは先生の気持ちを無駄にする気か!」
『んなもん、知るか!関係ねぇんだよ!!いいから離せよ、クソが!!』
松陽「美佳…ありがとう。こんなバカ親父を愛してくれてありがとう。」
松陽の言葉を掻き消すように牢獄は崩落した。
← →
12/16
←contents
←main
←top